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マーク・グリーニー著『暗殺者の鎮魂』 ハヤカワ文庫 2013.10.20第1刷
おススメ度:★★★★☆
前作でロシアンマフィアのシドレンコから依頼された仕事を結果的に裏切ってしまったわけだが、「見つけ次第射殺」を指令する側に、新たにロシアンマフィアが加わることにあいなった。
ということでグレイマンことジェントリーは南米アマゾンの奥地まで逃げ込み、ここで2カ月ほどのささやかな安らいだ生活を送っていた。そんなアマゾンの密林まで追手がせまるのであったが、その気配を知ったジェントリーの心の奥底では、それを歓迎する部分があったのだ。
この男はもうこの阿修羅の世界でしか生きがいを感じなくなったのかも知れない。追手の魔の手からかろうじて脱出した彼の向かった先はメキシコ。ここまで南米各地を陸路でやって来たが、ここから船でヨーロッパに渡り、宿敵シドレンコを抹殺するつもりであった。
とある食堂で流れてきたTVのニュースがその後の彼の運命を大きく変える事となった。そのニュースとは昔ラオスである男を救うつもりが逆に救われた命の恩人がいた。まさにその彼の死を告げるニュースであった。
彼の出身地は港からさほど遠くないところにあったため、墓に行ったのであるが、そこで彼の身重の妻に出会ったことが更に彼の運命を決定づけた。今度はメキシコを牛耳る麻薬カルテルの一つから徹底的に狙われることになったのだ。
もうこれで御終いかという危機が何度もジェントリーと彼が護るべき命の恩人の家族に襲いかかる。もちろんジェントリーはタフに危機から脱するわけだが、彼の強さというよりも、その絶妙なタイミングと手段を編み出すこの著者であるマーク・グリーニー氏のあざとさに舌を巻くしかない。
よくもよくもそんな手段を考えだすものだと感嘆する。
先に亡くなった日本の俳優高倉健さんのセリフじゃないけど、本当にこの男ジェントリーという暗殺者は“生きるのが不器用”なのだ。そのあきれるばかりの不器用さが際立った一編である。
おススメ度:★★★★☆
前作でロシアンマフィアのシドレンコから依頼された仕事を結果的に裏切ってしまったわけだが、「見つけ次第射殺」を指令する側に、新たにロシアンマフィアが加わることにあいなった。
ということでグレイマンことジェントリーは南米アマゾンの奥地まで逃げ込み、ここで2カ月ほどのささやかな安らいだ生活を送っていた。そんなアマゾンの密林まで追手がせまるのであったが、その気配を知ったジェントリーの心の奥底では、それを歓迎する部分があったのだ。
この男はもうこの阿修羅の世界でしか生きがいを感じなくなったのかも知れない。追手の魔の手からかろうじて脱出した彼の向かった先はメキシコ。ここまで南米各地を陸路でやって来たが、ここから船でヨーロッパに渡り、宿敵シドレンコを抹殺するつもりであった。
とある食堂で流れてきたTVのニュースがその後の彼の運命を大きく変える事となった。そのニュースとは昔ラオスである男を救うつもりが逆に救われた命の恩人がいた。まさにその彼の死を告げるニュースであった。
彼の出身地は港からさほど遠くないところにあったため、墓に行ったのであるが、そこで彼の身重の妻に出会ったことが更に彼の運命を決定づけた。今度はメキシコを牛耳る麻薬カルテルの一つから徹底的に狙われることになったのだ。
もうこれで御終いかという危機が何度もジェントリーと彼が護るべき命の恩人の家族に襲いかかる。もちろんジェントリーはタフに危機から脱するわけだが、彼の強さというよりも、その絶妙なタイミングと手段を編み出すこの著者であるマーク・グリーニー氏のあざとさに舌を巻くしかない。
よくもよくもそんな手段を考えだすものだと感嘆する。
先に亡くなった日本の俳優高倉健さんのセリフじゃないけど、本当にこの男ジェントリーという暗殺者は“生きるのが不器用”なのだ。そのあきれるばかりの不器用さが際立った一編である。
前作もそうでしたが、ジェントリーはもうダメか、というほどに追い詰められて、それでもまたまたそれを凌いで生き残る。
結局はその繰り返しに過ぎない物語と思うのだけれど、読み出すと途中ではやめられないませんね。
当方も、そろそろ手を付けなければ…。