min-minの読書メモ

冒険小説を主体に読書してますがその他ジャンルでも読んだ本を紹介します。最近、気に入った映画やDVDの感想も載せてます。

佐伯 泰英著『弓張ノ月-居眠り磐音江戸双紙(46)』

2014-12-14 15:47:34 | 時代小説
佐伯 泰英著『弓張ノ月-居眠り磐音江戸双紙(46)』双葉文庫 2014.7.12 第一刷 648円+tax

おススメ度:★★★☆☆


前回、第43巻徒然ノ冬を読んでから第44巻、第45巻と刊行されているのだが、双方とも物語の進行上読まなくとも全く差支えが無いものと判断し飛ばしてしまった。
そしてこの第46巻となるのであるが、停滞していた田沼意次との対立のこう着状態がぞろりと動く気配がした。
田沼意次にだまされ家系図を取り上げられ、そればかりか幕府の要職に取り立ててくれようという意次の甘言に乗らされ多額の金子を貢いだ新番士佐野善左衛門はやっとのこと自分が嵌められた事を自覚し、一時逐電していた。
佐野邸を見張っていた霧子がみたものは行方を絶っていた佐野善左衛門が屋敷に密かに戻ってきたのであるが、腰にあるはずのない刀が差してあった。それも何やら松平定信より借り受けた銘刀であるらしい。
そしてなにやら慌ただしく登城する気配があった。霧子は急に胸騒ぎを覚え、磐音の下へ急行したのであった。
この後、松の廊下で起こった事態を書けば完全にネタバレとなってしまうので書けないが、ここに一年以上足踏み状態が続いた田沼一統との対立に大きな転機が訪れようとしていた。
とはいえ、歴史上実在の人物との間に大々的な表だっての抗争が勃発したわけではないので、その詳細は読んでもらうしかない。
とにかく「こういう決着の付け方があったか!?」とちょっと不意を突かれた感じだ。幾年にも及ぶ激しくも厳しい対立、抗争が終焉を迎えたかに思えた磐音であったが、山形にある元許嫁の奈緒の身に風雲急を告げる事態が発生したとはまだ知る由もなかった。こちらの解決がまた難しそうである。





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