Chang! Blog
福岡のハングル検定準2級建築士、そして一児の父の[ちゃん]のブログです




 前編からの続きです。

■デザインされた駅を維持する努力・新水俣


 臨時「さくら」で新水俣へ。フリーきっぷの影響もあってか、ここまで乗った列車は「つばめ」でも4割程度の乗車がありましたが、臨時列車とあって目だって空いていました。
 新水俣駅は、大きなルーバーが覆うデザインされた駅舎が特徴。個人的には、九州新幹線の各駅の中でも最も好きな駅舎です。


 傍らでは、屋根の維持補修工事が行われていました。
 開業10年。駅もそろそろ、手を入れる時期に来ています。


 駅正面は国道沿いで、ファミレスがある程度。街外れ、郊外といった趣は変わりませんが、2年前にはなかった駅前コンビニができていました。
 GS跡には格安レンタカーもできており、新幹線としては小さな駅ながら、少しずつ便利になっていきます。


■ツル祭とツル博物館・出水


 出水駅には立派な新幹線の駅舎と共に、在来線時代の時代がかった駅舎も健在。
 駅舎として使われてはいませんが、うっすらと残る「JR」の文字に、在来線特急「つばめ」が行き交った時代を思い出します。


 出水の開業イベントは、駅からレンタサイクルで10分ほど走った出水市陸上競技場での開催。九州新幹線・肥薩おれんじ鉄道10周年と銘打っての、「ツルを送るまつり」でした。
 新幹線関係の催しは見られませんでしたが、おれんじ鉄道のブースはあり、グッズを販売していました。観光列車「おれんじ食堂」で起死回生を図るおれんじ鉄道、PRにも熱が入ります。


 ツルを送るシーズンの出水に来たものの、ツル越冬地は自転車で行くにはかなりの距離。せっかくなので手近な、ツル博物館「クレインパークいずみ」まで足を伸ばしてみました。菜の花が咲き、ひと足早い春のサイクリングです。
 出水=ツルというイメージは強いものですが、博物館では、そこに至るまでの長い歴史を学ぶことができました。


 日本一の大鈴なんてものも見物。12駅に全駅下車の旅とはいえ、ちょっと観光する余裕もあるのですから、やっぱり新幹線は早い!


■新幹線の功罪?・川内駅


 「みずほ」を除く全列車が停車する要衝、川内駅に到着。立派な橋上駅舎も、10周年を迎えました。駅前通りも幅が広く、合併前の人口7万人の街としては、かなり整備された街という印象を受けます。
 駅裏にはマンションが林立しており、鹿児島まで無理なく通勤できるエリアになって、定住促進に一定の効果があったようです。


 表口に立体駐車場、裏口には平面の駐車場があり、収容台数は豊富。しかしどちらも満車状態でした。
 今日は、ワンコインきっぷを使えば500円で鹿児島市内に出られるわけで、その影響で利用が多いのかもしれません。


 市街地には立派なアーケードが続きますが、シャッターが閉まったままの店が多く、人通りもまばら。デパートもありましたが、店内は決して賑わっているとは言えない状況でした。
 9万都市ながら充実した市街地に、周辺の中核都市として発展してきた歴史は垣間見えましたが、新幹線で鹿児島市にスプロールされてしまった…のでしょうか??


■沸きました!・鹿児島中央駅


 午後5時、鹿児島中央駅に到着。駅ビルの増床工事が進み、新幹線の終点の先に広がっていた桜島も、ちょっと窮屈な風景になりました。


 西鹿児島駅時代から見慣れてきた大階段は姿を消し、駅ビルが姿を現しつつあります。
 もともと当初から計画されていた駅ビルが10年目にして実現するもので、活況を示す喜ばしい出来事ではあります。


 2段階に分かれた新幹線の開通で、2波に分かれて観光客が押し寄せた鹿児島。開業景気も陰りが見えてきたようですが、JR側は、あの手この手のキャンペーンで盛り上げています。
 温泉キャンペーン「ゆ活」では、おなじみ指宿・霧島だけでなく、鹿児島市内の温泉銭湯も「まち湯」としてPR。その中の一つ、桜島の眺望が楽しめる「新とそ温泉」で温泉を楽しみました。


■サクラサク・博多駅


 久留米人にはあまり縁のない列車、みずほで一気に博多へと上りました。開業2日目に、博多~鹿児島中央を下って以来の乗車です。わずか76分、驚異の早さです。
 みずほこそ、新幹線の速達効果が発揮される列車で、ダイヤ改定の度に増便が進んでいます。あまり久留米を通過されても困るけど、全体の効果を考えれば、もう少し増発されてもよい列車のように思います。


 博多駅ビルも、開業3周年。予想を上回る好調ぶりで、七隈線延伸、郵便局の再開発など、周辺の開発も留まることを知りません。
 この春は初の試みとして、Hakata Hanami~さくらイルミネーションが開催中。駅前広場も駅ビルもピンク色に染まり、冬のイルミとはまた一味違った夜景を演出していました。


 専門店街「AMU」も好調を受け、筑紫口にも進出。これまでのデイトスからAMU ESTへ、3月1日にリニューアルオープンしました。
 居酒屋や立ち飲み屋が並ぶ「ほろよい通り」は、AMUに変わっても健在。お洒落なだけじゃない駅ナカの魅力で、今夜もぎっしりの酔っ払いで盛り上がっていました。


■新ダイヤで飛躍・新鳥栖駅


 「さくら」で下り、最後の一駅、新鳥栖へと向かいます。博多駅で行われるJR西日本からJR九州への引き継ぎも、すっかり見慣れた光景になりました。
 今回の新ダイヤから、すべての「さくら」が新鳥栖、久留米に停車。所要時間は伸びたのは残念ですが、分かりやすいダイヤになりました。新鳥栖にとっては新大阪直通列車が劇的に増え、飛躍のダイヤ改定と言えます。


 大きく翼を広げたようなスタイルの、新鳥栖駅舎。駅舎内の明かりが、周囲に光を投げかけます。
 新鳥栖駅周辺は蔵上と呼ばれる新市街地ながら、開業当初は駅前に何もありませんでした。現在はがんセンターやドラッグストアが進出しており、ホテルの建設も予定されています。マンションこそないものの、ファミリータイプのアパートも増えてきました。


 24時間100円の駐車場は好調。キャパシティが大きく、めったに満車にならないのも安心です。夜10時でも止まっている車は多く、泊まりの旅行にも活用されているようです。
 というわけで九州新幹線全駅をめぐった、怒涛の一日は終了。運賃、ダイヤとも試行錯誤が続いていますが、最適解を目指し、今後もいっそう磨きをかけられんことを願っています。

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