ラップ青年がひょんなことからオペラの才能を見出されて…というと
ありきたりでベタな話と思うでしょうが、本当に最後まで意外性ゼロの正統派のベタな映画でした。
映像にも役者にも脚本にもディテイルにも特筆するところがない・・・
でも実はそういうの嫌いじゃないし、美しいオペラ座とその風景、そして歌声をたっぷり楽しみました!
まさに、予想通りの定石ストーリーを期待通りに進む映画で
こういう予定調和の疲れず楽しめる映画も、悪くないと思うのです。
現代アートなどは、何か、驚かされたい!感動したい!自分の視野や思考や発想や
なんでも自分自身の限界を広げたい!という気持ちがわたしにはとても強くて、
映画でもそういう作品を見ると感動し嬉しくなるんだけど、
映画はわたしには日常なので常にそういうものを求めているわけではないのです。
いろんな映画があっていいし、馬鹿馬鹿しい映画も好きだし、脱力もしたいし、泣きも笑いもしたい。
素晴らしい大作で消耗し尽くす映画体験もいいし、半分寝ながら見る気軽な作品もいい。
それぞれなりに楽しみたいと思うので、こういうベタな映画も全然嫌いじゃないのです。
そしてこれ映画の趣味が違う人と見に行くのもおすすめかも。
何もかもベタでしたが、オペラ座の中やオペラ座から眺める夜の街はきれいだったし
映画をよく見る人にも、あまり見ない人にも、ほどほどに楽しい時間をくれます。
(いやこれ意地悪じゃなく普通に褒めてるので・・・w)
オペラ歌手になる、寿司屋の出前のラップ青年は、元々もラップ歌手だそうで
人気オーディション番組から出た世界的ラッパーだそうで
確かに演技はうまくはないけど魅力がある。
そして本当に歌が上手い!オペラの部分も全部彼が歌ってるそうで
達者だなぁ〜
そして映画の中の主人公の家庭などの背景ですが、あまり治安の良くなさそうな地域で
若者?グループ間の抗争もあったりするけど、強盗や殺人やドラッグは出てこず
抗争の対決も暴力じゃなくラップ対決というのも、見てて疲れなくていいです。
世界の戦争も全部みんな、武器を捨ててラップで対決すればいいのに。
コワモテのお兄ちゃんは弟をカタギの会計士にしたくて学校の授業料を払ってくれてるけど
自分は頭も悪く、見せ物の喧嘩でお金を稼いだりして、つかまったりもしてる。
この粗野なお兄ちゃんも遠くにいる母親には頭が上がらず
刑務所にいるときに、なぜか日本旅行中という設定になってしまって
日本の風景のポスターの前でテレビ電話をするんだけど、季節の違いと時差も混乱して
とても頓珍漢で、笑えるシーン。これもまたベタの定石ですが、良かった。
もっと丁寧に作られている良い映画に文句つける癖に、
この手の映画はわりとほめるというのは矛盾かな?笑
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