sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:愛の渇き

2014-09-05 | 映画
三島由紀夫原作の映画ですが、面白かった。

夫が死んで、富豪の舅の愛人になった奥様が20代なかばすぎの、
おそろしくきれいな浅丘ルリ子です。
虚無にとらわれた、からっぽで怖くて、すごく高い感じの女を
うまく演じています。
その奥様が使用人の若い男が気になるようになるのですが
恋情ではなく、執着としか言えないような感情のようで複雑です。
しかし18歳の田舎男に執着するなんて、いい男知らなすぎやなぁ、奥様。笑

奥様と使用人の若い男という関係で、この若い男がなんだかよく見えるのは、
奥様からの懸想があるからで、それがなければいきなり何の魅力もなくなります。
同じ使用人同士のミヨとのカップルだと、全然よく見えないし
面白くもなんともないし、何の興味も持てないただのつまらない若い男。
人と言うのは、その人を好きな誰かのフィルターを通して見ると
なにかの魔法がかかったようによく見えるものです。
そのフィルターの持ち主が魅力的だと、つまらない人でも素敵に見える。

で、この若い男を石立鉄男がやってるんだけど、
言われないと分かんないです。
子どもの頃テレビで見ていた、もしゃもしゃ頭のずんぐりした
オーバーアクションな俳優を思い浮かべるとまるで別人・・・若くて細い。笑
この使用人の若い男もとらえどころがなく、単に単純すぎるだけなのか
彼なりに鬱屈したものがあるのか、よくわかりません、
ストーリーとしては恋愛は成立せず
いろいろとこじれた感じになったあとで、結構衝撃のラストが来ます。
原作読んでないけど、わりと原作通りなんじゃないかなぁ。
三島由紀夫の作品らしさがあります。

カメラも、やや不自然というか、やりすぎをちょいと超えたくらいの按配で
俯瞰とかスローモーションを使って、印象的なシーンを作っています。
でもさほど古くさくないというか、きれいに撮られていて、面白い。

しかし、若い時の浅丘ルリ子、手も、耳も足の指先まで完璧にきれい。
着物で、コリー犬と走るシーンなんかでも、実のこなし方にもたつきがなくて、
すごく自然。ふぁー。常にどこから見ても何やってても、きれい・・・。
昔の女優さんで、きれいだなぁと思う人はいっぱいいるけど、
わたしは原節子は全然好みじゃないです。頑丈そうすぎる。笑
岸恵子はすごくきれい。若尾文子も好き。加賀まりこも異常にかわいい。
でも今日見た映画の浅丘ルリ子が完璧すぎてプロマイドほしいくらいです。

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