
最近友達に借りた本をよく読んでる。
自分の本も順番を待ってるんだけど、人から借りると返さなきゃと思うので
自分にしては早く読めるという利点があります。
これは、ダイヤモンドの婚約指輪が必要な贅沢品となっておよそ80年、
その歴史は電子レンジの歴史と同じくらい、と書いてある、宝石と世界史の本。
2段組で分厚く、翻訳は硬く読みにくいながらも、面白かった。
そこからダイヤモンドの価値というものがどんなインチキ商売の産物であるかが続く。
インチキ商売というか、デビアス帝国の悪辣さですね。
世界のダイヤモンド市場をほぼ一手に握ってる独占大企業という認識はあったけど、
こんな、まるでダイヤモンドヤクザと呼びたくなるような極悪非道な歴史があったとは。
ダイヤモンドの希少価値は、もはや幻でしかないのに、
人の印象を操作すると言う仕事に勤しんで、いくらでもあるありふれたダイヤを
ダイヤの婚約指輪という幸せで美しいコンセプト、神話にしたデビアス。
1940年前後、貴族という主要な顧客層をなくしたにデビアスが売りだしたのは
ダイヤ自体よりもむしろそこに付け足したきらきらしたイメージという付加価値の方で
ダイヤモンド買ったと思ってる人、あれは思想を買ってるだけだから、
と、見下すように書かれている。
デビアスが婚約指輪という「伝統」をでっち上げて、
数十年ですっかり世界に浸透させてしまった手口には恐れ入る。
婚約指輪に興味がなかった極東の国、日本でさえ、
80年頃にはアメリカに次ぐ第二の市場になったのだからすごいものです。
しかしよっぽどうまくやったにしても、こうして
「伝統」をでっち上げるのって簡単なんだなぁと思うと
昨今の歴史改竄主義者のしぶとさにも納得がいくし、怖いものだなと思いますね。
そういえば、昭和の映画で、財閥を舞台にした面白いものはいくつもあるけど、
デビアス家の歴史を大河的に描いた映画が観たいなぁと思いました。
絶対面白い。
以前見たティファニーのドキュメンタリー映画はキラキラして楽しいけど毒がなかった。
デビアス王朝の大河ドラマなら毒も陰謀も悲恋たっぷりありそうだし、
ドキュメンタリーではなく波乱万丈のドラマにして見せて欲しいです。
デビアス以上に嘘つきで勝手なのがスペインのクイーンイザベル。
ヨーロッパの歴史を読むと、カトリック教会の行ってきた(あるいは利用してきた)
あまりに多くの残虐な行為に、本当に呆れ返る。
そのあともどんどん、悪辣でわがままな支配者たちが出てくるのですが、
彼らの紡ぎ出す歴史を、宝石を切り口にして読み解くのはとても面白かったです。
この本の中では、ダイヤモンドはありふれたもので、
ブランドやイメージででしかないと何度も繰り返し指摘されているので
どんどんダイヤモンドが欲しくなくなりましたが、
後半のエメラルドや真珠の話を読むと、今度はそれらが欲しくなります。
特に真珠は、ヨーロッパの欲深い王や女王たちとまるで違い
うどん屋の息子から真珠王にのぼりつめた御木本幸吉について、
彼の真珠の、世界の宝石の中で占める位置や、その意味など丁寧に書かれていて
御木本さんすごい!えらい!と感心。
自分の持っている、ほとんどつけたことのないパールのアクセサリーを
久しぶりにゴソゴソと取り出して眺めたりしました。
あと、えぐい女王やえげつない王の話の後で、
豪華で精緻な卵型の宝飾品で引っ張りだこになった
無敵の宝石職人ファベルジェという人がが出てきたときも、ほっとしました。
芸術作品とも言える美しいものを生み出すのに
大きな工房をもち、何百もの従業員の福祉と健康に気を配り、
彼らの才能を活かし、十分に褒めて育て、利益は分かち合うという素晴らしさ。
帝政ロシアにおいては奇跡の人だったのでは?
ていうか、今の日本でも中々ないかもしれませんね。
自分の本も順番を待ってるんだけど、人から借りると返さなきゃと思うので
自分にしては早く読めるという利点があります。
これは、ダイヤモンドの婚約指輪が必要な贅沢品となっておよそ80年、
その歴史は電子レンジの歴史と同じくらい、と書いてある、宝石と世界史の本。
2段組で分厚く、翻訳は硬く読みにくいながらも、面白かった。
そこからダイヤモンドの価値というものがどんなインチキ商売の産物であるかが続く。
インチキ商売というか、デビアス帝国の悪辣さですね。
世界のダイヤモンド市場をほぼ一手に握ってる独占大企業という認識はあったけど、
こんな、まるでダイヤモンドヤクザと呼びたくなるような極悪非道な歴史があったとは。
ダイヤモンドの希少価値は、もはや幻でしかないのに、
人の印象を操作すると言う仕事に勤しんで、いくらでもあるありふれたダイヤを
ダイヤの婚約指輪という幸せで美しいコンセプト、神話にしたデビアス。
1940年前後、貴族という主要な顧客層をなくしたにデビアスが売りだしたのは
ダイヤ自体よりもむしろそこに付け足したきらきらしたイメージという付加価値の方で
ダイヤモンド買ったと思ってる人、あれは思想を買ってるだけだから、
と、見下すように書かれている。
デビアスが婚約指輪という「伝統」をでっち上げて、
数十年ですっかり世界に浸透させてしまった手口には恐れ入る。
婚約指輪に興味がなかった極東の国、日本でさえ、
80年頃にはアメリカに次ぐ第二の市場になったのだからすごいものです。
しかしよっぽどうまくやったにしても、こうして
「伝統」をでっち上げるのって簡単なんだなぁと思うと
昨今の歴史改竄主義者のしぶとさにも納得がいくし、怖いものだなと思いますね。
そういえば、昭和の映画で、財閥を舞台にした面白いものはいくつもあるけど、
デビアス家の歴史を大河的に描いた映画が観たいなぁと思いました。
絶対面白い。
以前見たティファニーのドキュメンタリー映画はキラキラして楽しいけど毒がなかった。
デビアス王朝の大河ドラマなら毒も陰謀も悲恋たっぷりありそうだし、
ドキュメンタリーではなく波乱万丈のドラマにして見せて欲しいです。
デビアス以上に嘘つきで勝手なのがスペインのクイーンイザベル。
ヨーロッパの歴史を読むと、カトリック教会の行ってきた(あるいは利用してきた)
あまりに多くの残虐な行為に、本当に呆れ返る。
そのあともどんどん、悪辣でわがままな支配者たちが出てくるのですが、
彼らの紡ぎ出す歴史を、宝石を切り口にして読み解くのはとても面白かったです。
この本の中では、ダイヤモンドはありふれたもので、
ブランドやイメージででしかないと何度も繰り返し指摘されているので
どんどんダイヤモンドが欲しくなくなりましたが、
後半のエメラルドや真珠の話を読むと、今度はそれらが欲しくなります。
特に真珠は、ヨーロッパの欲深い王や女王たちとまるで違い
うどん屋の息子から真珠王にのぼりつめた御木本幸吉について、
彼の真珠の、世界の宝石の中で占める位置や、その意味など丁寧に書かれていて
御木本さんすごい!えらい!と感心。
自分の持っている、ほとんどつけたことのないパールのアクセサリーを
久しぶりにゴソゴソと取り出して眺めたりしました。
あと、えぐい女王やえげつない王の話の後で、
豪華で精緻な卵型の宝飾品で引っ張りだこになった
無敵の宝石職人ファベルジェという人がが出てきたときも、ほっとしました。
芸術作品とも言える美しいものを生み出すのに
大きな工房をもち、何百もの従業員の福祉と健康に気を配り、
彼らの才能を活かし、十分に褒めて育て、利益は分かち合うという素晴らしさ。
帝政ロシアにおいては奇跡の人だったのでは?
ていうか、今の日本でも中々ないかもしれませんね。
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