sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

アルネ・ヤコブセンと化粧(けわい)

2017-03-08 | 芸術、とか
大阪の西の端、池田にある小さな美術館、逸翁美術館。
小さな美術館の中でも小さい方だと思う。
常設展示はないし、大きな部屋を2つ3つに仕切った展示室だけで
全然疲れない美術館。うちから自転車で行けます。
阪急文化財団の美術館で、逸翁は小林一三の雅号だったそうで
彼の収集品中心に企画展を組んで展示しています。
1、2年に一回くらい行ってるけど、近いし、もっと気軽にしばしば行こう。

今の展示は「化粧 KEWAI 舞台の顔」

ここ、チラシのセンスは毎回結構いいです。おしゃれ。
前の茶碗の展示のときのチラシも良かった。
演劇の舞台で、俳優の演技を一段と深める化粧。中でも京劇などの中国伝統演劇や、日本の歌舞伎は、特に化粧が大きな役割を持ちます。
中国の臉譜(れんぷ)は、歌舞伎の隈取にあたるもので、ともに性根や感情などの抽象的な役柄を、デフォルメして表現します。そこには独自の意味や約束ごとがあり、臉譜はその基本を守りながらも、時代とともに変化し、洗練されてきました。また、歌舞伎の隈取は、俳優の個性を加えながらも、伝統を継承しています。
本展では、肉筆臉譜や錦絵の隈取を中心に、伝統が生み出したさまざまな舞台の顔を紹介します。展示品の中には、現代のヒーローやキャラクターを思わせるものが見つかるかもしれません。
(公式サイトより)

浮世絵は今までいろんな展覧会で見ていろんなテーマで美術展はあるけど、
大体が有名な大御所の作品で、浮世絵氏中心の展示が多い。
春画展でも、やっぱり今まだ残ってるのはいいものばっかりだし。
これは、浮世絵は浮世絵でも歌舞伎の隈取りに関するものに絞られてるのがよかった。
歌舞伎の隈取りを顔に押し当てて取る魚拓みたいな(?)のも面白かったけど、
面白さでいうと京劇の臉譜が飛び抜けています。
化粧ではなく、もう顔に描く仮面だもんなぁ。
その図案集のようなものは非常にグラフィカルで、かっこいいです。
顔に描いたものより、図案としてみる方が、そのデザインの面白さがわかる。
歌舞伎に詳しかったら、隈取りも、あああの役者のあの役がこれか、と
もっと親しみを持って見られたかもしれないので
教養がない自分が残念。
あと京劇の梅蘭芳一座が、大正13年に宝塚歌劇に来て
上演されたときのポスターとかも興味深かったです。

帰りに、そこから自転車でまた10分足らずの、
少し前にできたアルネ・ヤコブセンのフラッグシップショップにも行ってみました。

日本初と聞いてたので、そんなオシャレっぽいものがこんな郊外の地味な街に?と、
去年から見に行こうと思ってた店です。
 
ただ、個人的には、北欧家具ってデザインの良さはわかるけど、
コスパは良くないなぁといつも思うので買うことはないかもしれません。
シンプルに見えながら計算され尽くした形なのでしょうが、
素材に高級なものを使っているわけでもなく
効果な値段のほとんどがブランド代とデザイン代という感じのものは、
10分の1の値段の似た雰囲気のものでいいやと思ってしまう。
(わたしに見る目がないということでしょう)
そういうわけで、一番好きだったのはその店の、平屋の小屋の建物でした。

窓とドアと天井の天窓がとてもステキ。
木造だけど、案外隙間風もなく暖かな居心地いい空間で、
カフェなら長居してしまいそうです。
こういう平屋に住みたいなぁと思うけど、女性の一人暮らしには不用心すぎるから
一生無理だろうなぁ、でもいいなぁ。

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