写真祭的な展示のイベントで、今ブログを確認したら
2013年と2015年に見に行ってる。一年おきだわ。
→2013年京都グラフィーと小野規さん
→2015年KYOTOGRAFIE
今回は北海道から泊まりに来てた友達と一緒に観に行きました。
とてもいいお天気の中、全部で7つくらい見たかな。
会場としては5会場。
かなり好みのモノが多くて、非常に満足で楽しい日でした。
しかし、京都の美大生だった10年前は、年に50日くらいは京都に通ってたのに
いまだに、名古屋の人や北海道の人に道を案内されている始末のわたしって・・・。
まず京都駅の美術館「えき」でアニエス.bのもの。
このポスター素敵だなぁ。

30年も前、初めてパリに行った時に、アニエス.bは憧れで
彼女のギャラリーにも行ったと思う。
(うろ覚えだけどマレ地区?pんピドーセンターの近くだったかな?)
そこで、フィルム状の細長いものにプリントされた
写真のポジっぽい、カラフルなきれいな空のいろの栞のようなものを買って
それは大事にしてて、まだ家の中のどこかにあります。
そのアニエス.bのコレクション展で、現代の写真家のものが多かったけど
やっぱりわたしの印象の中の彼女で、とても素敵だった。
昔買った、その栞のようなものと、やっぱり通じるところがあるなぁと思う。
アニエス.bの活動のこれまで、ファッションもアートも含めてまとめた本があって
とてもほしかったけど、このあとあちこち歩くのに、とても重いので断念。
地下鉄少しと、あとは歩きでいくつか見た中で(無料のも有料のもあります)
楽しかったのが古いお家(嶋臺ギャラリー)の床に枯葉が敷き詰めてある展示会場。

分かりにくい写真でごめんなさい。
中に入った途端に、少し甘いような柑橘っぽい自然な香りが漂ってて
何だろうと思ったらこの枯葉たちだった。
踏むとサクサクして、本当にいい香りで、
たまに作品展示に香りを使ったものはあるけど、香りは好みがあるし
あまりいいと思ったことがなかったのに、これは最高でした。
そして写真の展示もとてもよかった。
おじいさんとその妻、兄弟を撮ったもので、
今回買ったポストカードは、3人のおじいさんが野原の中でお風呂に入ってるもの。
きれいな写真に、そこはかとなくユーモアや温かさ、不思議さや寂しさもあって、
この作品以外にも好きな写真がいくつもあった。
オランダの写真家ハンネ・ファン・デル・ワウデの作品です。
別の部屋には、クシャクシャのシーツが敷き詰めてある中に
おじいさんと奥さんの眠る姿の写真があって、これも好きでした。
京都文化博物館では二つ見て、ひとつはフランスのショーヴェ洞窟を360度撮影して
大きな4K画面に映し出されるインスタレーション。ラファエル・ダラポルタ。
36000年前の世界最古のアートと言われる壁画のある洞窟の映像が
ゆっくり上下し、床に置かれたビーズクッションにもたれて寝ながら見ると
自分がどんどん、どんどん地下に落ちていくような不思議な浮遊感覚が面白い。
もうひとつは、新婚旅行での妻を撮ったルネ・グローブリの写真。

1954年の白黒写真だけど、ひっそりと二人の関係を感じられるような、
こういう個人的な小さい世界の作品も好きです。

被写体女性の胸の形がとてもきれだなぁとうっとり見ました。
あと白いシャツの、ちょっと抜いた襟元の感じも好きだなぁ。
元・新風館でやってた吉田亮人の展示は、
祖母とその介護をしていた20代前半の若い孫との毎日を従兄弟が撮ったもの。
説明を読まずにずっと見てて、予想以上によくて、この若い男の子に
ものすごい好感を持ったあとに、彼がすでに自死していたことを知り
胸が詰まってしばらくしゃべれなくなった。
祖母の死で幕を閉じる写真だろうと思って見ていたのが、全く違う結末で
とても悲しい。
写真の中のふたりの仲の良さ、彼の思いやりの深さやさしさが、余計悲しくさせる。
友達が結構褒めてて、期待して見に行った香港のヤン・カレンの写真展は
個人的にはいまひとつだったかなぁ。
古い町屋の無名舎で、1階、2階と展示があり、和紙にプリントされた
古い道具などの写真は、技術もセンスも非常に優れていると思うけど
わたしにはあまり響きませんでした。広告っぽいと思っちゃった。
好みっていろいろよね。
人が褒めているものが響かなかったりするのって、その逆の場合でもそうだけど
自分で理由がわかっている時には面白いものです。