教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

2021年度卒業式の日に

2022年03月20日 19時47分00秒 | Weblog




 卒業式のシーズンですね。私の大学でも本日、学位記授与式が挙行されました。本日卒業された皆さん、本当におめでとうございました。
 昨年度の式の時は、まさか次年度も同様に感染対策して卒業式を行うなんて夢にも思っていませんでしたが、新型コロナ下での式も2年目となり、感染対策の様々な工夫も安定してきました。卒業する皆さんのために、少しでも思い出に残るような工夫も進化しているように思いました。準備・裏方の皆様におかれましても、本当にお疲れ様でした。
 写真のものは教育学ゼミの卒業生10名にいただきました。ありがとう!

 今年度の初等教育学科の卒業生は、実は1年生のときにチューター主任をつとめた学年でした(2年生以降は別の方々)。何しろ1年次の主任でしたから、いろいろあったなと思い出しました。とにかく最後まで頑張って、卒業してくれてよかったです。みんな、一度しかない大学4年間を無駄にせず、状況の中でできる限り頑張って、力をつけてくれたと思います。教育において、自ら伸びようとする力こそ、一番大事だと実感させてもらいました。
 私は、原理系の教育学者として、学生たちに次のような力を身に付けてほしいと思っていつも指導しています。すなわち、物事の文脈や意図、意味に立ち戻って考える力です。教育・保育の現場に限らず、社会生活では、「~すればよい」とか「~しなければならない」とかいった求めに応じなければならない場面は多くあります。しかし、そこで「なぜそれをすればよいのか、なぜそれをしなければならないのか、もっとよいやり方はないのか」と、たまには考えてほしい。文脈・意図・意味などを考慮する力は、まさにその時に役立つ力です。例年通りやルーチンワークで何とか過ごしていけた仕事は、これからどんどん変わっていくでしょう。これから一人立ちしていく皆さんは、状況に応じてよりよい仕事を創っていかなければならない場面にたくさん出会うでしょう。皆さんは、まさにコロナ前からウィズコロナ・ポストコロナの移行を担うべき立場にいます。働きを楽しみにしております。

 今年度の卒業生は、実は広島文教女子大学時代の最終学年、人間科学部初等教育学科の最後の学年でした。広島文教大学教育学科教育学科への継続も特に問題なく自然な状態で進んでいるためか、最後の学年だからという気負いは特になかったように思います(1年次当時はかなり気合を入れた記憶がありますが…)。1981年創設の人間科学部初等教育学科ですが、本日の38期生の卒業により、全学年で教育学部教育学科のカリキュラムを施行することになります。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 教育の議論の出発点―お互いの... | トップ | 沼田良蔵・實文書について―幕... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事