老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

この食べ物、どう違うの? その①  ~「竜田揚げ」と「唐揚げ」~

2021年02月05日 19時09分31秒 | 食べ物

 我が家で料理当番になってからは、昔食べて美味しかったものを思い出したり、TVや新聞などで目にしたものを見よう見まねで色々と挑戦していますが、時々料理の呼び名で困惑することがありますので、思いつくままに書いてみました。

 先ずは、「竜田揚げ」といわゆる「唐揚げ」です。

「竜田揚げ」は、先日の毎日新聞の「語源由来巡行」でも紹介されていましたが、奈良県の生駒地方に流れる、紅葉で有名な竜田川にちなんでつけられた名称のようです。

 百人一首の在原業平の和歌「ちはやぶる 神代も聞かず竜田川 から紅に水くくるとは」は殆どの人がご存知だと思いますが、これは“竜田川の水面を真っ赤な紅葉が染め尽くし、美しい錦のくくり染め(しぼり染めのこと)の布のように見える”風景を詠んだ歌です。

 即ち、からりと揚がった衣に透けて見える醤油色(=紅い色)とその上に浮かぶ白い点模様を『竜田の錦』=『紅葉』に見立てて命名された風情ある日本料理の名前なのです。

 このように、「竜田揚げ」は肉や魚などに醤油や味醂などで下味をつけ、衣(主に片栗粉や葛粉)には下味をつけないで揚げるという調理方法だったようです。

 また、名前が由来する竜田川流域の生駒市や斑鳩町では、「竜田揚げ」での地域興しのプロジェクトもくまれているようです。

 更に、「竜田揚げ」の名前については、1920年ごろに日本海軍の軽巡洋艦の軍艦「龍田」で、作られた料理に由来するとの説もあるようです。


◆一方「唐揚げ」は、江戸時代初期に中国から伝わった普茶料理に由来すると言われていますが、『空揚げ』『から揚げ』とも書くことからも、もともとは食材に何もつけずに素揚げすることをいったようですが、次第に下味をつけた肉や魚介類、野菜などの食材に衣(片栗粉や小麦粉)をつけて揚げるようになったようです。

 現在では、下味をつけたものや、小麦粉だけでなく片栗粉をまぶして揚げた唐揚げも多く、いわゆる「竜田揚げ」との違いは分かりにくくなっているようです


 私的には、「竜田揚げ」の名前が懐かしいですね。
戦後間もなくの食糧不足の時代に、学校給食で食べた「クジラの竜田揚げ」が美味しくて待ち遠しかったのを今でもはっきりと覚えています。

 また、「唐揚げ」については、高齢化と共に最近はあまり食べなくなりましたが、梅田のビアーガーデン「ニューミュンヘン」の鳥の唐揚げは絶品でしたね。(まさ)

(この項は、Live Japan/Weather Newsで紹介の北野智子さんの説/N旅グルメなどを参考にさせて頂きました)