老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

女房言葉 その③  ~追記~

2020年02月19日 19時52分30秒 | 面白い言葉や語源など
 WIKIPEDIAでは、上記の「〇〇もじ」や「お〇〇」以外にも、擬態語・擬音語・比喩などの表現を用いる女房言葉も挙げられていましたが、少し判りにくかったので省略します。

 ただし。女房言葉のことを書き込んでいると、祖母が使っていたことばを更に3つほど思い出しました。
何れも語頭に「お」がつくのですが、女房言葉かどうかはっきりとは判りかねましたので、追記として触れさせていただきます。


◆おこうこ
・Goo辞書によれば“「香香(こうこう)」の丁寧な言い方。漬物。香のもの。こうこ”とあります。

・この「香香(こうこう)」については、コトバンクに拠れば、“(こう)の物の「香」を重ねたと女房詞”で、野菜を、糠味噌(ぬかみそ)や塩につけた食品、古くは味噌漬(みそづけ)をいい、また、沢庵漬(たくあんづけ)をいう場合もある。こうのもの、つけもの、こうこ とあり、漬け物のようです。

・その後、この「こうこう」が音変化で「こうこ」になったようです。

・また、「お新香」や「おしんこ」と呼ばれることもあるようです。

私のうろ覚えの記憶では、祖母が「おこうこ」という場合は「たくあん漬け」指し、その他の漬け物は「おくもじ」と言って区別していたように思います。


◆おくどさん
祖母は、「かまど」のことを、「おくどさん」とよく言っていましたが、Goo辞書では、「かまど」の京都の方言とありました。

しかし「ことばJapan」によれば、“「おくどさん」は「お曲突さん」と書く。「くど」とは「火処(ほど)」を意味しており、前後に「お」と「さん」を付けた最高尊敬語といえるだろう”とあり、女房言葉のようにも思えます。

更に、“「くど」は、現在では火を焚く「かまど」や「かまど」のある場所を意味することばとして使われ、「町家の台所」みたいなイメージで受け取られている場合が多いのですが、本来はかまど神信仰に基づく神様を表したことばであり、かまど神とは、「荒神(こうじん)さん」が「かまど」に宿るという民間信仰に基づき、「三宝荒神」を意味している”とありました。


◆おみおつけ
更に、祖母は味噌汁のことを「おみおつけ」と言っていたようにも思います。

・WEBLO辞書によると、“「おみおつけ」は漢字表示では「御御御付け」となるが、「おみ」は「味噌」「おつけ」は「汁」を意味する女房言葉。江戸時代に江戸の地で使用されていた。または御御御汁と書き、「おつけ」にさらに接頭辞が付いたという説もある”と書かれています。

・ジャパンナレッジによると、“ご飯につけるみそ汁の女房詞『おつけ』に、さらに丁寧語、尊敬語の「御御(おみ)」をつけて御御御汁(おみおつけ)としたもので、敬語が三つも重ねられているのは、よほどその価値を高く評価したのであろう”とWEBLO辞書の後の方の解釈と同じ意見です。

・この丁寧語、尊敬語の「御御(おみ)」は、非常に珍しい用法かと思っていたら、お神酒(おみき)、お神輿(おみこし)、お御籤(おみくじ)など神社に関してはいまだに使われていますし、おみ足(おみあし)などもその名残の言葉のようです。


 以上、祖母が使っていた、食事や台所に関する「お」が語頭につく言葉である、おこうこ/おくどさん/おみおつけに関する調査結果では、やはりいずれも女房言葉の範疇に入る言葉と言っても良いのではないかと思います。(まさ)