老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

米国のパリ協定離脱表明に思う

2017年06月03日 20時22分31秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 米国のトランプ大統領が予ての懸念通りに地球温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」からの離脱表明をしたことに関しては、当然ながら世界各国や米国内から非難の声が上がっています。

◆これに関連して、我が国の反応は面白かったですね。
 
 ・トランプ大統領の盟友を自負する安倍首相の直接の声まだ報道されていませんが、これに代わり菅官房長官は「残念だ。気候変動問題への対応は国際社会が取り組むべきグローバルな課題。米国の関与は引き続き重要だという認識のもと米国に働きかけていきたい」と予想通りに、トランプ大統領に少し寄りそったような発言でした。

 ・担当の山本環境相は「環境相として個人として大変に失望している。やっとここまで来た人類の英知に背を向けた」と少し踏み込んだ発言をされたようです。

 ・面白かったのは麻生財務相・副総理で、「シェールガスやシェールオイルで米国はいま(エネルギー資源を)輸出する側になってきている。経済に及ぼす影響がいかがなものか、それで『ちょっと待て』と言ったのだと思う」と解説した後、第一次世界大戦後に国際連盟創設を主導しながら加盟を見送ったことにも言及した上で、今回の離脱表明と重ね合わせ、“その程度の国”と酷評した由です。

◆久しぶりに現閣僚の米国に対する遠慮のない発言と拍手する人も多い様ですが、チョット待てよです。

 ・トランプ大統領の発言の背景には、アメリカや人類の将来などよりも、大統領選挙で支持してくれた人々の支持を確保したいという、言わば「現在バイアス」概念(以前このブログでも説明した、“将来の長期的な利益と現在の短期的な利益をはかりにかけると、将来の利益を軽く、現在の利益を重く感じる心の働き”)に基づくことは明らかで、地球の将来に対する大国としての責任感が感じられないことです。

 ・この現在バイアス概念は、我が国の場合は
☆目先の選挙のことばかりを考えてのバラマキ財政の継続で、1千兆円もの借入金を引き起こし、将来の国家財政の破綻化を指摘されながらも、未だにその方針を改善しようともしない財政政策。

☆更に、あれだけの被害を起こした福島原発の事故にも拘わらず、原発は安全で安価な電力との意見を変えずに、安全基準を少しいじくっただけで、将来の原発廃棄物の処理方法も決まらないまま、原発依存を変えようとしない政策。
がピッタリと当てはまるのではないでしょうか。

 ・そのようなことを考えると、日本におけるこれらの政策の責任窓口である、財務相や環境相はトランプ大統領の言動に冷笑気味な発言をするだけではなく、日本の古来からの諺を思い出して、“人類の英知に反している”とか“その程度の国”とか言われないように、もっと自分の足元を見つめ直して、子孫たちや未来に対して負の遺産を少しでも減らすように、謙虚になるべきでしょう。
「人の振り見て、我が振り直せ」 「目くそ、鼻くそを笑う」
(まさ)