老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

身近な技術革新 その4  電話以外の通信機器①  信書・電報

2016年02月11日 21時14分00秒 | 思い出すままに
 電話以外の通信となると、視覚を利用する情報交換手段になると思いますが、今回は最近では殆ど使われなくなってしまった親書・電報について、少し触れてみます。

 就職した当時は郵便が中心で、商社に必要な海外との連絡も特に急を要さないものの多くはコレポン(Correspondence)と呼ばれる商業文を作成しSEA-Mail又はAIR-Mail便でやり取りしていました。
また、国内通信でもまだまだ郵便が多く、学生時代には経験したことのないような格式ばった言葉を使った文書作成に四苦八苦したのを思い出します。

 急ぐものは電報に依りますが、国際電報の料金は言葉数で決まっていましたので、海外の支店との交信ではコストを考え言葉数を少なくすると共に、秘密保持のために、社内で決められたCodeを使うことが多かったです。
私が居た会社ではCode Bookなる分厚い辞書みたいなものがあり、これは慣用語句や商品名などが暗号化されていたものがこと細かく記載されておりました。
従って通信文は例えば“ABCXY BDEKH WOPTY”など、第3者が見ても全く判らない5文字の組み合わせた暗号で交信していました。これをCode Bookで見ると、全体が文章になり意味が判る仕組みで、新入社員の朝一番の仕事はこのような到着電報のCodeを平文に直して、上司の机の上に置くことでした。

 また国内電報は文字数で料金が決まるので、要点だけの極めて短い文章を心がけました。
更に、電文を電話で郵便局の担当者に伝える場合に文字を間違えない様に、「アイウエオ…ン」それぞれに「朝日の」「いろはの」「上野の」「子供の」「 煙草の」…などと独特の決まった言い方がありました。
しかし、こんな専門的な言い方が全て覚えられるわけでなく、要は相手(郵便局員)に伝われば良いということで、「アイスのア」「神戸のコ」「タヌキのタ」などと勝手な言葉を使うことも再三あり、周囲の先輩からは笑われましたが、何とか相手には通じたので、まだまだ大らかな時代でした。(まさ)