ジムの血圧を測る器械の斜め前に、個人カルテを入れるボックスがある。日付、入退時刻、体重、血圧、トレーニングメニューなどを記入していくもので個人情報が詰まっていることもあり目をそらせて測定しているのだが、今日はたまたま一番手前の人のものが少しはみ出ていて生年月日欄が目に入った。1961年1月25日。同じ誕生日ということで強く目に留まったのかもしれない。
うるう年でなければ、1年は365日、366人以上の人が居れば必ず同じ誕生日の人がいるのだから不思議なことではないが、その存在を知る機会が血圧測定のこの時に生じたことに「おおっ!」と心が動いた。
確率の授業をしていた時、「集団の中に同じ誕生日がいる人の確率」というものを考えたことがあった。計算上は23人の集団であれば確率は50%を少し超え、35人で81%余り、41人で90%を越える。当時は1クラス40人余りだったので「全校の各クラスには同じ誕生日の人が居る」可能性は極めて高いという仮説が成り立つ。それを終礼の時間に手分けして聞いて回り検証するということを
行なった。ずい分昔のことなので詳細な結果は覚えていないが、ほぼ理論的な値と差はなかった。確率の授業の面白さは、理論的な値を実験で検証できるという点にある。他にもいろいろ試みたが、いい思い出として残っている。
同じ誕生日では、小、中学時代にも思い出がある。私の小、中学時代は出席順が生年月日順だった。高校に入った時アイウエオ順で驚いたが、これが普通だということは以後の学校生活で知ることになる。逆に、なぜ生年月日で出席順にしていたのか?ということが疑問になっていたのだが、あるテレビ番組のルポで「村では屋号で呼び合うのですね」というリポーターの質問に「みんな同じ姓やから区別がつかない」という趣旨の答え聞いた時「そういうことか」とハタと気づいた。
私の小中学校を過ごした志摩郡阿児町鵜方には、谷川原、中村、東山という姓が多く1クラスに数名同じ姓の人が居た。アイウエオ順では分かりづらいということで生年月日で並べるということになったのだろう。
当時は1クラス50人余りだったが、同じ誕生日の人は、谷川原、中村、東山の姓を持つ人よりも少なかったことは確かである。私と同じ誕生日を持つ谷川原君が1人いた。小2から中1までたまたま同じクラスで、学年が変わるたび2人の順番が前後した。この基準は未だに分からないが、「次はどちらが先かな?」を2人で楽しんでいた。
5年生の時に、東(あずま)くんが転校してきた。生年月日が1月25日と紹介された時、谷川原くんと顔を見合わせて驚いたことを覚えている。
50人のクラスに、2人の同じ誕生日の人がいる確率は95.6%だが、3人いる確率は13.2%とグンと下がるからドラマチックな出合いと言ってよい。6年生になったら順番がどうなるか?というのが3人の密かな愉しみとなった。2人だと2通りしかないが、3人だと6通りと選択肢も広がる。どうなったのかの記憶はない。
たまたまジムで同じ誕生日の人のカルテに出合ったことで懐かしい思いがよみがえった1日となった。
誕生日が一致する確率(N人中2~5人、グラフ表示)
うるう年でなければ、1年は365日、366人以上の人が居れば必ず同じ誕生日の人がいるのだから不思議なことではないが、その存在を知る機会が血圧測定のこの時に生じたことに「おおっ!」と心が動いた。
確率の授業をしていた時、「集団の中に同じ誕生日がいる人の確率」というものを考えたことがあった。計算上は23人の集団であれば確率は50%を少し超え、35人で81%余り、41人で90%を越える。当時は1クラス40人余りだったので「全校の各クラスには同じ誕生日の人が居る」可能性は極めて高いという仮説が成り立つ。それを終礼の時間に手分けして聞いて回り検証するということを
行なった。ずい分昔のことなので詳細な結果は覚えていないが、ほぼ理論的な値と差はなかった。確率の授業の面白さは、理論的な値を実験で検証できるという点にある。他にもいろいろ試みたが、いい思い出として残っている。
同じ誕生日では、小、中学時代にも思い出がある。私の小、中学時代は出席順が生年月日順だった。高校に入った時アイウエオ順で驚いたが、これが普通だということは以後の学校生活で知ることになる。逆に、なぜ生年月日で出席順にしていたのか?ということが疑問になっていたのだが、あるテレビ番組のルポで「村では屋号で呼び合うのですね」というリポーターの質問に「みんな同じ姓やから区別がつかない」という趣旨の答え聞いた時「そういうことか」とハタと気づいた。
私の小中学校を過ごした志摩郡阿児町鵜方には、谷川原、中村、東山という姓が多く1クラスに数名同じ姓の人が居た。アイウエオ順では分かりづらいということで生年月日で並べるということになったのだろう。
当時は1クラス50人余りだったが、同じ誕生日の人は、谷川原、中村、東山の姓を持つ人よりも少なかったことは確かである。私と同じ誕生日を持つ谷川原君が1人いた。小2から中1までたまたま同じクラスで、学年が変わるたび2人の順番が前後した。この基準は未だに分からないが、「次はどちらが先かな?」を2人で楽しんでいた。
5年生の時に、東(あずま)くんが転校してきた。生年月日が1月25日と紹介された時、谷川原くんと顔を見合わせて驚いたことを覚えている。
50人のクラスに、2人の同じ誕生日の人がいる確率は95.6%だが、3人いる確率は13.2%とグンと下がるからドラマチックな出合いと言ってよい。6年生になったら順番がどうなるか?というのが3人の密かな愉しみとなった。2人だと2通りしかないが、3人だと6通りと選択肢も広がる。どうなったのかの記憶はない。
たまたまジムで同じ誕生日の人のカルテに出合ったことで懐かしい思いがよみがえった1日となった。
誕生日が一致する確率(N人中2~5人、グラフ表示)