塩哲の色不異空

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ミュージアム巡り 光悦の大宇宙 折紙

2024-07-02 04:40:52 | ミュージアム巡り_2024
 次は、「折紙」(宝永2年・1705、紙本墨書、34/9.8cm、1通、兵庫・
黒川古文化研究所所蔵)。こちらは「短刀 銘 来国次(名物:鳥飼来国次)」
に付属する折紙。
 折紙とは本来は、一枚の料紙を横長に二つ折りして用いた文書全般
を指したが、室町時代は献上品の目録などに用いられ、鑑定書にも使
用され、“折紙付き”の語源ともなった。
 本阿弥家では宗家九代光徳が豊臣秀吉の信任を得て刀剣極所となり、
折紙の発行を認められそこに捺す「本」銅印を拝領していた。
 折紙の発行は本阿弥家の中でも宗家当主だけの特権とされ、歴代の
折紙が伝来する。特に宗家十三代光忠以前のものは鑑定が厳格で、古
折紙ともいわれ貴重な逸品。
 本阿弥家の折紙は、横長に折られた料紙の上半部に右から刀工名(流
派、名物などは号を併記)、本物を保証する“正真”の文字、寸法や特徴、
刀剣の金銭的価値を表す代付、日付、署名と花押を記す。また紙背に
“本”銅印による黒印がある。さらに本阿弥家では、刀剣の鑑定にあた
り、宗家初代妙本の命日とされる三日に本家と分家が集まって合議し
たという。
 折紙は刀剣の核付けを明文化することで、本来的に武器である刀剣
に格式道具としての価値を与えたといえる。その発行を司る本阿弥家
の権威の源泉となった。
TNM(台東区上野公園13-9)
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