次は、「寛永四年試筆」(寛永4年・1627、本阿弥光悦筆、紙本墨書、
26.7/76.7cm、一幅、京都・光悦寺所蔵)は、同年正月元旦の“試筆”、
すなわち新年の書き初め。
南無妙法蓮華経の題目からそれぞれの尊妙、代々の上人尊名を列記
したのち“天下一同仏法流布”の一行がある。それから「臨命終正念、
即身成仏」とあり、臨終に及んでも心を乱さず、成仏を遂げたいとい
う、70歳を迎えた光悦の決意表明である。
また、「実相常住、如天甘露、今釈妙法、能通実相」という文言が
あり、これは「法華玄義釈䇳」に出典し日蓮が六老僧に行った講釈の
記録として伝わる「御講聞書」にも引用されている。つまり、前半部
に列記された祖師の系譜に対応し、常住不変の釈尊の教えが受け継が
れていることを、この一幅で表している。
この一幅では、冒頭から行を追うごとに謹厳は筆致が徐々に緩んで
きて、後半にかかるとおおらかさが見える。さながら光悦の晩年の書
風を垣間見ることができる。
TNM(台東区上野公園13-9)
26.7/76.7cm、一幅、京都・光悦寺所蔵)は、同年正月元旦の“試筆”、
すなわち新年の書き初め。
南無妙法蓮華経の題目からそれぞれの尊妙、代々の上人尊名を列記
したのち“天下一同仏法流布”の一行がある。それから「臨命終正念、
即身成仏」とあり、臨終に及んでも心を乱さず、成仏を遂げたいとい
う、70歳を迎えた光悦の決意表明である。
また、「実相常住、如天甘露、今釈妙法、能通実相」という文言が
あり、これは「法華玄義釈䇳」に出典し日蓮が六老僧に行った講釈の
記録として伝わる「御講聞書」にも引用されている。つまり、前半部
に列記された祖師の系譜に対応し、常住不変の釈尊の教えが受け継が
れていることを、この一幅で表している。
この一幅では、冒頭から行を追うごとに謹厳は筆致が徐々に緩んで
きて、後半にかかるとおおらかさが見える。さながら光悦の晩年の書
風を垣間見ることができる。
TNM(台東区上野公園13-9)