塩哲の色不異空

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ミュージアム巡り 光悦の大宇宙 法華題目抄

2024-08-18 04:48:02 | ミュージアム巡り_2024
 続いて、「法華題目抄」(江戸時代、本阿弥光悦筆、紙本墨書、39/
1476cm、1巻、京都・本法寺所蔵)、および「如説修行抄」(江戸時代、
本阿弥光悦筆、紙本墨書、39.5/1460cm、1巻、京都・本法寺所蔵)は、
光悦が日蓮聖人の著作を書写した二巻で、本阿弥家の菩提寺・本法寺
に伝来。書写の経緯や年代を示す奧書がなく、光悦自身で寄進された
と考えられる。
「法華題目抄」は文永3年(1266)正月6日、日蓮45歳の時の著作。
題目“南無妙法蓮華経”を唱えることの功徳を、4段の問答によって説
いている。女人成仏を説く「法華経」に帰依することを勧める内容な
ので、女性に宛てた著作と考えられる。
「如説修行抄」は文永10年(1273)5月、日蓮52歳の時の著作。如説
修行とは釈尊の教説で、法華経の教えの通り正しく修行することをい
う。末法の世には法華経の行者の受難が多いことが述べられ、修行に
対する覚悟を促し身命を惜しまず南無妙法蓮華経の題目を唱えること
により、成仏が遂げられると説く。
 装飾的な和歌巻とは異なり謹厳な書写態度で、楷書の部分に見られ
る謹直な筆致は、中国南宋時代の書家・張即之から学んだ書風ともい
われるものの、光悦自ら用いた書体であろう。楷・行・草の三書体を
使い分けており、本文中の“妙”“法”“華”の文字は同じ書体の繰り返し
を避けるように変化している。これは光悦の最晩年の作例にも見られ
る特徴だ。
TNM(台東区上野公園13-9)
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