この地球に一人の女性がいたとしよう。過去世において不倫という罪を犯し、子どもをなし、子どもも母親も死んだとしよう・・・。六地像さんは私に語りかけてきました。
「相手の男と子どもを愛しているその心は純粋で一途。ただ、男の妻に対しては悪。・・・聖と悪の両面を抱えながら能動的に堕ちていく。・・・そういう女がいたとしよう」
「それは私のことですか」私は悪夢の恐怖をまだ感じながらそう問いかけました。
「そうかも知れない。いや、私はじっとお前の過去世を見ていたから、まずもってお前のことを語りだした」
「そうですか。続けてください」
「それで、死んだその女はどう転生するのか。・・・ははっ、私はお前が幻影にもがいている姿を見て、はたと気づいた」
「えっ、どういう・・・」
「転生・修行を繰り返せば、聖と悪は二面性を持ったまま昇華する。昇華を続けて奇跡的な転生をする。・・・ははっ、やっと私も分かった」
「聖は悪を剋する。そして、悪は修行の足らぬ相手の中に深く内在する」
「相手とは ?」
「お前じゃ」
「私 ? ・・・ということは・・・」
「ははっ、今見た過去の幻影がそれじゃ」
「ああっ、混乱する」
「はははっ、お前はまだまだ修行が足りない。相手はもう神、姫神となっているというのに」
「姫神 ?・・・えっ、というと、冴子が姫神に・・・」
「そうじゃ。・・・姫神が鳥となってさやかと花りんの霊を助けた。ははっ、私はやっと解せた。・・・聖は悪を剋する」
「冴子が神に・・・。では、京子は・・・」
「それはいずれ分かるときがくる。我昔所造諸悪業 皆由無始貪瞋癡 従身語意之所生 一切我今皆懺悔」
「・・・」
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