とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

あちこち「SYOWA」 61  「二十四の瞳」 一緒に泣いてあげる

2016-12-10 01:22:11 | 日記
Aは高峰秀子主演とものと田中裕子主演のものと二作見ました。多少雰囲気が違っていました。決定的に違っていたのは後者の映画には「泣きたくなったらいつでもいらっしゃい。・・・一緒に泣いてあげる」という大石先生の台詞が入っていることです。私は何度も原作を読みましたが、そういう会話は出てきませんでした。しかし、この言葉が核となっていると思いました。
Aは生徒たちと小豆島のオープンセットを見に出かけました。自転車で走っていると醤油の香りが漂っていました。

Keisuke Kinoshita | Twenty-Four Eyes : 映画に見る昭和 「二十四の瞳」 1954

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Nijushi no hitomi - Twenty-Four Eyes Trailer (1954)

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『二十四の瞳』(にじゅうしのひとみ)は、1952年(昭和27年)に壺井栄が発表した日本の小説である。
第二次世界大戦の終結から7年後に発表された小説で、作者の壺井栄は、自身が戦時中を生きた者として、この戦争が一般庶民にもたらした数多くの苦難と悲劇を描いた。
発表の2年後、1954年(昭和29年)に映画化された(二十四の瞳 (映画))。これまで、映画化2回、テレビドラマ化6回、テレビアニメ化1回、計9回映像化された。

「瀬戸内海べりの一寒村」を舞台に、女学校を出て赴任した女性教師と、その年、小学校に入学した12人の生徒のふれあいを軸に、日本が第二次世界大戦を突き進んだ歴史のうねりに、否応なく飲み込まれていくこの教師と生徒たちの苦難や悲劇を通し、戦争の悲壮さを描いた作品である。(以上Wikiより)

Aは、何というか、教育の原点を確かに見たという気持ちになりました。これほど子どもたちのことを思い、生徒たちから慕われる教師がいるだろうか。何より登場人物が戦時中にも拘わらず、いやそうだったからこそ純粋に精一杯生きている。師弟の関係というものはこうなくては・・・。いやいや、そういう理屈を超えたところに美しい絆を感じました。

特に最後の同窓会の場面は感動的でした。貧しさから波乱の人生を余儀なくされた者、家が没落し消息を絶った者、誰にも看取られる事なく病死した者、遠い海の向こうで戦死し2度と帰ってこない者、戦場で負傷し失明した者。時代の傷を背負って大人になった彼らは、大石先生を囲んで小学1年生のあの日皆で一緒に撮った写真を見ます。自転車をプレゼントする教え子たち、失明した教え子が写真を指差しながら、一人ひとり名前を言っていくのだが、微妙に指先がずれている場面などを見ていて、Aはぽろぽろと涙を・・・。亡くなった父と重なったのです。