とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

43 マーガレットのこと

2015-08-18 00:39:39 | 日記


 儀式が終わって、私たちの棲家である樹木に夕方二人は帰りました。樹霊となって暫く私はうとうととしていました。しかし、私の頭の中にはさっきのマーガレットの残像がへばり付いていました。彼女は何ものだろうか。そう思いながら熟睡できずにいました。すると、その思いが姫神様に通じたらしく、夜中に薄明かりを帯びて現れました。新樹さん、もうお休みですか。そう私に仰言いました。

 「姫神様、わざわざどうも・・・、なかなか眠れないでいました」

 「貴方に伝えておきたいことがあって・・・」

 「マーガレットのことですね」

 「ええ、そうです。彼女はああして樹霊たちと行動していますが、実は絶対神の血を引く神です」

 「絶対神 !!」

 「ええ、そうです。ですから私の意思を天に伝えてくれます。そして天のお言葉を私に教えてくれます。普段は御霊屋の奥の小さな聖廟に住んでいます。変幻自在な万能神です。あらゆる面で遥かに私を超えています」

 「姫神様の上に立つお方・・・」

 「ええ、そうです。・・・ああ、それから、さやかの霊に乗り移ることがよくあります。ああ見えて彼女は霊性がとても高い。マーガレットを支えていると言ってもいいと思います」

 「すると、さやかも変幻自在・・・」

 「さやかの今までの行動を見ていて、はっと思われることがあるのでは・・・」

 「実に、その通りです・・・」


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