教室・自然いろいろブログ

グループ彩雲の創作活動と身近な自然の観察記録

五倍子

2010年03月17日 | 自然
森の家まわりの森には本格的な春が訪れました。



旅の準備はできたかな?
つぐみもそろそろ渡りの時ですね。

寒々しかった木々の枝にも
彩りが戻ってきました。



この小さな松ぼっくりのような実は
ハンノキかな?芽が出ているようです。

拡大してみると黄色い指のようなものは花でした。
ハンノキと似てはいるけれど正しくはカバノキ科ハンノキ属の
ヤシャブシ(夜叉五倍子)のようです。



ヤシャブシは荒地を肥沃な土地に変える作用があるため
山地緑化に利用されるなどして近年増え、
この科の花粉のアレルギーが問題になっているそう。
花期は関東地方で3~4月。そういえば同じカバノキ科の
白樺の花粉もアレルギーを起こすと聞いたことがあります。

約2cmの焦茶色の実はタンニンを多く含み、
日本画の世界では古い作品の模写を行う際の
古色付けに利用されたり、染織の分野では黒~茶の染料として
需要があって高価で取引されている・・・と聞けば
この落ちている実を拾って使えないかしら、と思いませんか?
過去にかわいいからと拾ってきたものが役にたつかも!

と喜んだのもつかの間
初秋の青い実を採集して天日干しするのが
良い方法だそうで、その頃にはきっと忘れていることでしょう。

ブシがつく植物といえば



春の始まりを感じさせるこのキブシがあります。
黄色いアクセサリーのようで私は大好き!
小鳥(たぶんメジロ)は夢中でこの蜜を吸っていましたっけ。



このキブシを漢字で書けば
木藤、木五倍子となるようです。
木藤は花の様子が黄色い藤の花のようだ、という
感じが伝わってきます。
木五倍子のほうは・・・
キブシは雌雄異株で雌の花のあとには実がつき
その実はタンニン成分があるため、黒・茶系の染料
として利用されることがある、と知って納得しました。

五倍子(ぶし・ごばいし)自体は、
ヌルデという植物に特有のアブラムシが寄生したことによりできる
虫こぶをまだ虫がいるうちに採集、乾燥したもの。
わくわくしますね。これがタンニンを
多く含み、昔の既婚女性が施したお歯黒や黒系の染料に
利用されてきた、ということです。これを発見した人も
加工方法を考えた人もすごい!

調べるほどにどんどん疑問がわいてきて楽しい♪
でもすぐ時間がたってしまうのでたいがいにしなければ・・



ぼんやりしていたら花時をのがしてしまいます。
桜のつぼみはいまこんな具合です。


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