Uさんの新作水彩画を3点続けてご紹介いたします。
水彩画 F6
畦道をゆくと出会う向日葵たち。ふるさとの懐かしい光景を思い
浮かべながら描きました。かすかに見える森、花たち、道までも
しみじみと温かく、飛び交う蜜蜂の羽音が聞こえてきそうです。
近づいてみました。
繰り返し描いてきた向日葵。今作も水を多用し一輪一輪絵の具を
溜め、出来た染みの表情を見ながらぼかし、じっくり描きました。
とけあう形やにじむ淡い色は呼び起こされた記憶そのものです。
2点目です。
水彩画 F6
遥か彼方まで向日葵の咲く、前作とつなげて飾りたい作品です。
いつもより色鮮やかに描かれた世界は真夏の強烈な日射しの他に
Uさんの現在が表現されているよう。清々しい風が感じられます。
近づいてみました。
葉一枚ごとに水をひき絵の具を垂らし、用紙の凹凸に粒子が混ざる
様を味わい乾き具合を確かめつつ時間をかけ重なりを表現しました。
紙と水彩絵の具の特質を引き出し創作を心から楽しんでおられます。
3点目です。
水彩画 F6
嵐山の桜が咲き始めた頃、空を映す桂川は穏やかに流れています。
心ひかれ続ける渡月橋と全てを包み込む春の湿った大気をゆったりと
した筆遣いで表しました。見るほどに心が落ち着く優美な作品です。
近づいてみました。
鉛筆による下描きの線は細く着彩もごく淡く描いた世界は風情があり
渡月橋が夢の世界に誘ってくれるようです。紙の地の白と水の流れ
を活かした繊細な表現は詩情豊かでみずみずしく透明感があります。
様々な技法を試しながら情趣あふれる物語を紡ぎつづけるUさんの
過去の作品はHP「上郷森の家絵画教室及川みほクラス」の
“作品集”の中のUさんのページに制作順に掲載されています。
ぜひこちらもご覧下さい。