教室・自然いろいろブログ

グループ彩雲の創作活動と身近な自然の観察記録

水辺のちょっと珍しい生き物たち

2024年07月25日 | 教室風景

少し前、モリアオガエルに会いたくて出かけた水辺で
嬉しい出会いがありました。


緑に紛れてなかなか見つけられないモリアオガエル。
手足が大きく会うたびに感激します。
卵のうの数は少なかったけれど今年も会えてよかった。。


ヤグルマソウが咲き始めた頃

緑色に輝く甲虫が飛んだので追いかけると


ニワハンミョウでした♪


近くにニワハンミョウの黒化型もいました。

さらに煌めいていたのがこちら


金の奥に少し緑色が見える背中、白金色の腹部。
そして大きい。
コロリと丸く可愛らしいこの容姿はアリノスアブの仲間!


アリノスアブは種類が多くこれだけの写真ではよくわからない。
ふたたび図書館で「アリの巣の生きもの図鑑」を借りてきました。

ページをめくるたび好蟻性昆虫の多さとアリの生活の奥深さに
驚き、研究者の熱意に打たれます。
写真やアブの大きさから見ると、出会ったのはトゲアリスアブ
なのかな。。周りの蟻の巣を探してみればよかった。


近所ではこのアリノスアブのペアにも会いました。
幼虫時代、特定の蟻の巣に寄生、または共存し
羽化すると花の蜜を吸うことなくすぐ交尾、産卵するそう。


近くに目当ての蟻の巣があったのでしょうか。
いつか衝撃的な形のアリスアブの幼虫の実物を見てみたい。。

この水辺ではさらに感激の出会いがありました。


何とも地味な色合いですが見たこともない姿形、そして大きい!


体長50mmはあったと思います。
きっとトビケラの仲間だろうと検索すると
「エグリトビケラ」がそっくり。
幼虫時代は水中で、落葉を糸で綴って巣をつくるそう。

エグリトビケラといえば数年前の家族旅行で「これ何?」と
大騒ぎした思い出があります。


夏の終わりの群馬県。この時のブログに記しましたが
水辺のナナカマドの木に謎のゼリー様物質が付着していました。
調べると、これがエグリトビケラの卵だったのです。

7年後にこの卵を産んだ生き物に出会えるとは。
同じ水辺に何度も通っているけれど知らないことばかり。
真夏の今はどうなっているのか、飛んでいきたくなります。


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Iさんのはじめての日本画(005)

2024年07月22日 | 教室風景

Iさんの記念すべき日本画一作目は
敬愛するクリムトの風景画を模写しました。


「クリムト模写」 日本画 S4

何故この作品や作者に強く惹かれるのか?あらためて内省し
色やタッチ、構図の美しさなど多くの発見がありました。
日本画材の素晴らしさにも感動し刺激的な制作となりました。

近づいてみました。


岩絵の具の粒子の違いによる膠加減、色の変化、重色の味わい、
筆の違いによる効果を確かめながら慎重に描き進めました。
驚異的な粘り強さと審美眼で完成度の高い作品となりました。

鉛筆や色鉛筆で彩り豊かな作品をうみだしてこられた
Iさんの過去の作品はHP「上郷森の家絵画教室及川みほクラス」内の
作品集の中のIさんのページに掲載されています。
ぜひこちらもご覧ください。


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樹液に集まる生き物たち

2024年07月20日 | 生き物

梅雨が明け、いよいよ夏本番♪
近所の公園のクヌギやカシの木を見てまわると
樹液に夏らしい生き物が集まっていました。


大きなカブトムシのメスが若いカシの木の根元に♪


クヌギの高いところにノコギリクワガタのペア


ノコギリクワガタのメスは樹液にも


立派なコクワガタのオスは樹皮の間にさっと隠れました。
クワガタがいそうなクヌギは根元を掘られて根が露出していたり
幹を蹴飛ばす人がいたり。。公園の生き物は採集禁止なのに
夏になるとワナを仕掛ける人も出てきます。


目の高さ、手の届くところにはカナブンばかり


樹液に集まる昆虫に混じり
産卵場所を探すハチモドキハナアブ


アカボシゴマダラを度々見ましたが
在来種のゴマダラチョウはおらず


梅雨の時期はこのヒカゲチョウや
サトキマダラヒカゲがよく見られました。


珍しいなと思ったのはクロスズメバチ
周りにいるのはヨツボシオオキスイやヨツボシケシキスイ


ナガゴマフカミキリは久しぶり

同じ公園では


クビアカトラカミキリにも会いました。

公園が近いためか玄関まわりに時々昆虫が飛来するのですが


先日この巨大なサビカミキリがとまっていて驚きました!

暑い時期ならでは♪
これからどんな生き物に出会えるのか楽しみです。







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Hさんの新作日本画(048)

2024年07月18日 | 教室風景

上郷森の家で活動する絵画教室「グループ彩雲」の
Hさんの新作日本画をご紹介いたします。


 日本画 F8

深い渓谷に澄んだ光の降り注ぐ神秘的な光景です。時間を
をかけ緻密に描き込まれた木々、苔むす岩や流れは重厚で
詩情にあふれ表情豊か。この森の遥かな歩みを想像させます。

近づいてみました。


明暗を強調して岩の形や量感をとらえた後、苔を生やすように
点描でじっくり岩絵の具を重ねていきました。ごく薄い胡粉を
重ねた光や水が作品のいのち。きめ細やかで見応えある作品です。

どの作品も味わい深く、静謐さの中に力強さのあるHさんの
過去の作品はHP「上郷森の家絵画教室及川みほクラス」内の
作品集の中のHさんのページに掲載されています。
ぜひこちらもご覧ください。


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水辺の生き物たち

2024年07月15日 | 生き物

親水公園の木道を病院帰りの母と久しぶりに歩きました。

「昼日中こんなところを歩く人間はいない」と
文句を言いながらも結構楽しんでいます。


オオシオカラトンボのペアが飛んでいたり


ぴっかぴかのコガネムシがいたり


夏ならではのクロバネツリアブがいたり。


ふと見上げるとたくさんのウスバキトンボが
風に逆らいながらたくさん飛んでいました。


なかなか止まってくれないウスバキトンボが
なぜかこの時は目の前に降りてきてくれました。


ヒメガマやタコノアシなど水辺ならではの植物がたくさん!


そのなかに、このようなチマキ状に綴られたものがありました。
これはカバキコマチグモのものかもしれない。
数種いるコマチグモ類の中でカバキコマチグモの毒性の強さは有名です。

「もしかしたら毒蜘蛛の巣かもしれないからひろげない方がいいよ」
と母に伝えると、「開いてみたけど何もいなかった」と。。


たくさんのチマキの中で綴りのゆるい、
隙間のあるものがありました。

コマチグモの仲間がいるようです。
脱皮用、交接用、産卵用など用途別にメスが葉を綴るそうですが


これはどうなのかな?
少なくとも卵はないようです。


こんな形のものもあります。
検索するとハマキフクログモのものに似ています。

少し前に森で出会ったこちらは

牙の色が淡かったけれどヤマトコマチグモなのかな?
幼体だとさらにわからなくなります。


チョウはこのモンシロチョウのほかアオスジアゲハに会えました。


ヤエムグラの実が線香花火のようで可愛い♪

短時間でいろいろな刺激が得られて楽しかったけれど暑かった!
次回来るのはイシミカワの実が色づくころかな。。
タコノアシの紅葉を見にまた晩秋に訪れたいと思います。


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7月最後の教室 羽化したてのリスアカネに雌雄のオオトリノフンダマシ

2024年07月13日 | 教室風景

一日雨の予報だったのでカッパ長靴で森を歩きました。
はじめは明るい曇りでしたが


雨がパラパラ降り始めて
飛んでいたツバメシジミがぴたりととまりました。


こんな日に羽化したばかりのトンボがいました。
小さく見えたのではじめハラビロトンボかと思いましたが
翅の先端がうっすら黒い。リスアカネのようです。


今朝脱いだと思われるヤゴの殻。
リスアカネの抜け殻をはじめて見ました。

いよいよしっかり降りだした雨に、足元の虫達があわてて避難。


ハエのようなものが葉にとまったのでよく見ると
トウキョウヒメハンミョウでした。

7月最後の教室日でした。


あいにくのお天気でしたが、9月17日に始まる作品展に
展示予定の作品を仕上げる方が多くアトリエは熱い!
作品展のDMハガキが完成したのでお渡ししました。


明日以降8月末まで長い夏休みに入ります。
夏を元気にのりきってまた9月にお会いしましょう!と
皆さんとご挨拶しあい、2024年前半の部が終了しました。


降ったりやんだり


昼はむしむしして森が白く霞んでいました。


高いところにとまっていたり産卵行動していたり。
活発なジャコウアゲハのメスにたびたび会いました。


お久しぶりのヤマトシジミ


オニドコロの花が満開♪


雌雄異株で、可愛らしい小花がぎっしりのこちらは雄花。

嬉しい出会いがありました。
ヤブカラシの葉を見上げると


ぴかぴか光るオオトリノフンダマシのメスが。
体長は12㎜ほど。


あれっ?
葉の虫喰い痕のような茶色いシミはよく見ると。。


オオトリノフンダマシのオスでした♪体長2~3㎜。
そっとメスの背後に控えているように見えましたが
どんな恋の駆け引きをするのか見てみたいものです。

雨が小やみになるとニイニイゼミが元気に鳴きだしました。


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7月三回目の教室 虹色に輝く生き物たち

2024年07月09日 | 教室風景

この朝もよく晴れたのでワクワクしながら森へ。
ただ湿度が高く暑すぎてゆっくり少しだけ歩きました。

トンボが羽化していないかな。。
水辺をのぞきこんでいたら


カラスアゲハのオスが吸水にやってきました。
角度によって紫がかった青にも見え、格別の美しさ!

虹色に輝く生き物は他にも♪


元気に歩くアカガネサルハムシ


地味に見えて光の具合によって虹色があらわれるコミスジ


ハンミョウを探して光る地面をじっくり見ながら行くと


カワトンボがふわり舞い降りました。


シロカネグモの仲間の網も見る角度によって虹色に


スズミグモの複雑なドーム網の糸もキラッキラ♪

7月三回目の教室日でした。


汗がひくまで強めの冷房をかけ、少しずつ水分をとりながら。
熱中症に注意しつつ、絵画展の出品作品の仕上げに集中しました。


午後Iさんが日本画作品を完成させました。
順次ご紹介してまいりますのでお楽しみに☆

アトリエの廊下の壁に


美しいアオカミキリモドキがとまっていました。
体液にカンタリジンが含まれているので触らないのが無難です。


この日もヤマユリはよい香りを漂わせていました。


お馴染みさんのオオシオカラトンボや


オオトリノフンダマシにたびたび会いました。
鳥のフンに擬態していて色味は少し個体差があるようです。

ニイニイゼミがよく鳴いていたので
木にとまっていないかよく探していたのですが
どうしても見つけられず


帰宅したらなぜか家のポストに迷い込んでいました。
数枚撮らせてもらって近くの木へ移動。

朝から晩までこの時期ならではの生き物に会えた嬉しい日でした。



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7月二回目の教室 ニイニイゼミ鳴きだす森

2024年07月06日 | 教室風景

朝から快晴♪
生き物との出会いを期待して森へ急ぎました。

すると小さな池に


クロスジギンヤンマがとまっていました。
いつもはずーっと飛びまわっていて
なかなか撮らせてもらえないので嬉しい♪


久々のショウジョウトンボ


数は少なくなりましたがカワトンボも健在


今朝羽化したと思われるイトトンボの仲間
水辺は夏の賑わいをみせていました。


強烈な日射し。。
気温がぐんぐん上がり立ち止まると汗が滴り落ちてきます。

7月2回目の教室日でした。


この夏はじめてニイニイゼミの声を聴きました。
天窓から降り注ぐ光が強く明るく、気分もあがります。


9月の展覧会に出す作品を描かれている方はいよいよ大詰め。
乾きが早いのでぐんぐん描き進めることができました。

昼休みは木陰を選び歩きました。


満開のヤマユリの香りを胸いっぱい吸い込んでうっとり♪


久しぶりのカナヘビ


ニホントカゲは面白いポーズをしていました。
木に来る虫を狙っていたようです。


ススキの葉に可愛い頭が並んでる!


葉を裏返すとクロコノマチョウの幼虫たちでした。


虹色に輝く美しい翅が落ちていました。
カゲロウの仲間のもののようです。


こちらは以前出会ったアミメクサカゲロウ
大きさといい形といいとても似ています。

アゲハの仲間は忙しなく飛びまわってなかなか撮れず。
夏の活気あふれる森に元気をもらいました。


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7月最初の教室 ヤマユリ咲く森

2024年07月03日 | 教室風景

朝のうちは強い風が吹いていて
蚊にも刺されず快適でした。


いよいよヤマユリの季節到来です♪


ノカンゾウはわずかですが緑の中で目立っていました。

この日はよく黒いアゲハが飛んでいて


道で吸水していたカラスアゲハや


低いところをゆっくり舞うジャコウアゲハのオス、
びゅんびゅん飛ぶモンキアゲハなどに久々に出会いました♪

7月一回目の教室日でした。


時折雨がさ~っと降ってはやむの繰り返し。
画面の乾きは遅いですが、作業手順を考え描き進めました。


展覧会までの残り時間を計算すると背筋がのびますが
心を無にして一筆一筆丁寧に。集中すると時を忘れますね♪

お昼には少し日差しが出て明るく暑くなりました。


水辺で咲き始めたクサレダマ


ヌマトラノオの花穂も続々と出てきました。


いかにも毒々しいテングタケ

しゃがんでキノコの傘の裏を撮ろうとしたら
ハタハタと儚げなものが目の前を横切りました。


今年初撮り、ウスバカゲロウ♪
アリジゴクと呼ばれる幼虫期の姿を思うと何だか不思議。。

アリジゴク時代にはフンをせず、
するのは成虫になる瞬間の一度だけ!だそう。
これはウスバカゲロウの一生に一度のシーン。。
羽化したばかりだったようです♪

アリの体液を吸って育つアリジゴク期は3年間、
羽化してウスバカゲロウになると水しか飲まず2~3週間
生きるのだとか。
今回フンが写っていたので初めて興味を持ち検索したら
驚くことばかりでした。


この日も小さな蛾がたくさん飛んでいましたが


姿も名前も麗しいギンツバメが印象的でした。

そろそろいるはず・・と葉裏を見ていくと


桑の葉にいました!
なんて小さい。。


やっと会えたオオトリノフンダマシ
5mmほどなので幼体のようです。

梅雨の晴れ間、この季節ならではの美しい生き物たちに
たくさん出会えた嬉しいひとときでした。


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ツチアケビの花とアオバセセリの幼虫

2024年06月29日 | 生き物

早くも6月が去ろうとしています。少し前のお話ですが
梅雨入り直前にツチアケビとアワブキの花を見に行きました。


ツチアケビはちょうど花が咲き始めたところ


ツチアケビはナラタケの菌から栄養を取りこんでいる腐生植物。
ナラタケは木々を枯らす「ならたけ病」の病原菌。

ナラ枯れ病の蔓延によりミズナラの多くが枯死した森で
元気なツチアケビを見るのは複雑な気持ちです。

アワブキの花も咲き始め。


この木にスミナガシやアオバセセリが産卵しに飛んで来ないか
いくたび見張っているのですがなかなか会えません。
せっかく花が咲いていたこの時も高い所にハナムグリ類がいるだけ。。

でも、若木にアオバセセリの幼虫がいました!


葉を上手に綴って隠れ、時々外に出てアワブキの葉を食べます。


まだ若齢のこの幼虫の頭部は黄色、体は縞縞で可愛い♪


巣に近づいたら不安に思ったのか、さっと顔を出しました。


一旦出ましたがすぐさま逆戻り。驚かせてごめんね。
全身を見たのは初めてです♪


こんな巣もありました。


アワブキの葉を筒状にきっちり巻いた大きな巣


上からのぞくとイチゴ頭が見えました♪
頭部は朱色で大きい!終齢なのかもしれません。
羽化したところを見たいな。。
無事に成虫になれますように。

虫との出会いを期待していたリョウブやシラキの花はまだ蕾で
ヤマボウシの花は満開を過ぎていました。


ヤマボウシの花を見ると、ハナグモが大きなアブを捕食中


葉にニンフホソハナカミキリがいました♪

ヤマボウシの花では多くのハナカミキリやチビタマムシや
チョウや蛾が以前はよく見られましたが、今は探してもいない。

ツチアケビの増えた森はとても静かでした。


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