ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




御殿下記念館。文京区本郷7-3。2006(平成18)年5月9日

御殿下(ごてんした)記念館は東京大学百周年(1977年)の記念事業として、卒業生や経済界から寄付を募り、その約半分の20億円で、東大附属病院の西側向かいのグラウンドの地下に総合体育施設を建設したもの。埋蔵文化財調査が行われ、着工したのは1987(昭和62)年8月、完成は1989(平成元)年1月(『東京大学御殿下記念館につ いて』)。
その後、2010(平成22)年6月に、グラウンドの北西部分に「学生支援センター」(地下1階地上3階建)が竣工している。
キャンパスを散策しているだけでは、御殿下記念館は以前からあったレンガ造りに見える三連アーチの入り口部分のような構造物が残されていて、学生支援センターが新しく建っただけとしか見えない。
その古いエントランス部分は『日本近代建築総覧』に「東京大学運動場下厚生部附属室、建築年=1933(昭和8)年」で載っている建物。『芦原建築設計研究所>東京大学御殿下記念館』によると、内田祥三の設計で、「グラウンドの土留めを兼ねた半地下式の付属屋」「三連アーチの柱頭は、明治期辰野金吾が設計した工部大学校に使われていたものを内田祥三が移設再使用したといわれている」とある。



御殿下記念館。2006(平成18)年5月9日

エントランスに続くグラウンドの北側には売店などが入っていた。1974(昭和49)年の住宅地図には「生協サービスセンター、バーバー、売店」と記されている。
「御殿下」の名称は加賀藩邸の建物に由来する。グラウンドと三四郎池の間の築山には、現在は「山上会館」が建っているが、加賀藩邸だった時代には、庭園を眺める位置にあるから、接待用の御殿があったのだろう。その下にあるから御殿下である。築山は三四郎池を掘った土で築いたものだ。

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