ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




今荘。千代田区神田神保町3-15。2006(平成18)年3月31日

さくら通り西側の入口の交差点に向いた角にあるうなぎ屋。大通りは、一般的になっているのか疑問だが「雉子橋通り」で、靖国通りから北は「専大通り」という。この辺りはいつのまにか集英社のビルが立ち並んでしまった。
店のメニューは「うな重」の一品だけで、座敷席だという。角の隅切りした面に装飾を集中させている。3階の千鳥破風、2階の看板と丸窓、1階の唐破風といった造形で、和食を提供する店だと判る仕掛けだ。それらがないとただの家になってしまう。またそれがあるために看板建築ということになっている。
千代田区>景観まちづくり重要物件>今荘』によると、竣工=昭和 8 年(1933)頃、設計者=佐藤組。「震災復興期の木造3階建の建物で、看板建築の一種ともいえるが、独自の和洋折衷デザイン、特に、震災復興の区画整理で初めてできた角地の隅切りを活かしたファサードが印象的」としている。千代田区景観まちづくり重要物件の指定は平成 15 年6月。
今荘は明治30年(1897)に、牛鍋屋として創業したという。それが1980年頃まで続いていたらしく、昭和30年頃の火保図は「今荘牛鍋料理」、昭和44(1969)年の地図では「今荘食堂」、昭和52(1977)年では「すきやき今荘」という記載だ。うなぎ屋になったのは案外と新しいようだ。

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