ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




麻布郵便局。港区麻布台1-6。2011(平成23)年9月13日

麻布郵便局が入っていた「日本郵政グループ飯倉ビル」は現在、再開発で超高層ビル(64階建、高さ325m)の建設中だ。計画は1989(平成元)年からで、2019年8月着工、2023年3月竣工予定という。
麻布郵便局の建物は「逓信省貯金局」の庁舎として1930(昭和5)年に竣工した。設計は大蔵省営繕管財局、施工は銭高組。RC4階地下1階建。平面は中庭のある「円」形。巨大な官庁建築で、外壁はスクラッチタイル貼りだったと思われるが1984-87年の改修でタイルは全面貼り替えられている。各所にアールデコ風のデザインが見られる。
建設当時の住所は麻布区飯倉町6丁目、旧住所は港区麻布飯倉町6-13。外苑東通りを都電が走っていたときは麻布郵便局の前に「飯倉片町」電停があった。都電は33系統(四谷3~浜松町1)、明治45年開通、昭和44年10月廃止。
1943(昭和18)年から逓信省の本庁庁舎となり、戦後、1949(昭和24)に逓信省は廃止されて郵政省が新設されると郵政本省庁舎となり、霞が関に移る1969(昭和44)7月まで使用された。その後「飯倉分館」として使われてきた。2007(平成19)年10月、郵政民営化後は、郵便局株式会社→日本郵便株式会社(2012年10月)が「日本郵政グループ飯倉ビル」の名称に換えて所有した。(『ウィキペディア>麻布郵便局』、『ザ・AZABU Vol.16(2010.12)』)




麻布郵便局
上:2011(平成23)年9月13日
左:2014(平成26)年4月23日

左写真は東京タワーより撮影。麻布郵便局の後(写真右)の低層のビルが建っている場所は、一段低い谷地形で、「我善坊谷」という名前がある。住所は麻布台1~4、旧住所は「麻布我善坊町」。再開発の地域なので、今はビルも住宅も取り壊されて高層ビルの建設中。
「我善坊(がぜんぼう)」という妙な地名の謂れが気になるが定説はないらしい。一応、誰だか分らないが座禅をする坊さんからという説と、龕前堂(がぜんどう、荼毘所)からという2説があるという。

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