ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




旧平井家住宅。千葉県佐倉市新町(しんまち)186。2002(平成14)年5月5日

国道296号(写真右の通り)の新町交差点(写真右奥)のすぐ南の信号のある交差点の角にある、元酒屋の建物。左(西)にいく横丁は佐倉城の大手門に至る。佐倉城からの通りと旧成田街道が合わさる要衝だった地点だ。
佐倉市>旧武居家住宅、旧平井家住宅』によると、平井家は江戸時代以来の有力商家で、藩の御用商人として薪炭類を扱っていた。1872(明治5)年には新制度の郵便御用取扱い人になり、佐倉郵便局の起源となった。取扱所(郵便局)は新町43番地(新町通りの佐倉図書館=旧佐倉新町郵便局の辺りだろうか)にあったという(平成8年度歴史的建造物詳細調査と現在の状況について)。明治の一時期休業するも、明治後期には酒屋になって新町の大手商家の勢いを取り戻した。1958(昭和33)年に当主の高齢化により閉店、貸店舗としていたが、2008(平成20)年に佐倉市へ寄贈された。現在は建物を残して活用してくれる企業を募っているようだ。



旧平井家住宅。佐倉市新町186。2002(平成14)年5月5日

建物(店舗兼主屋・座敷棟・脇蔵)は2016(平成28)8月に国登録有形文化財に指定された。
店舗兼主屋は、1886(明治19)年に火災で焼失した後、建替えたもので、明治20~24年頃の建築と推定できる。主屋の裏に増築された平屋が座敷棟で、1931(昭和6)年の建築。横の通りに入ると庭越しに眺めることができる。脇蔵は1917(大正6)年の建築。土蔵造2階建。脇蔵の2階へは主屋から出入りする。敷地の西北に大谷石の2階建の蔵(石蔵)があるが詳細は不明。

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