ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




理容 浪花軒。中央区日本橋人形町2-26。1982(昭和57)年8月29日

写真左のタクシーが走ってくる通りは芳町通りで、左端に写っているビルは「NTT茅場兜電話局」の新館。そのビルの手前、浪花軒の向かい側には、大正14年に建った旧館があった。写真手前の通りは大門通り。
当ブログ前回の太田屋染物店の左のビルの二階が浪花軒という理髪店なのだが、写真の浪花軒はその旧店舗である。大門通りの斜向かいに移ったわけで、昭和61・2年のことである。写真の建物は戦後すぐ、間に合わせに建てられたバラックが残っていたのかもしれない。正面の写真を撮っておかなかったのが残念だ。現在は「オリコ人形町ビル」という9階建てのオフィスビルが建つ。
店のHPには「since1887」とあり、明治20年創業である。『大正元年日本橋区地籍地図』(中央区沿革図集[日本橋編])に、写真と同じ場所、浪花町一八番地に「理髪浪花軒」で記載されている。
浪花軒の後ろに日通のマークがある建物は「日本通運人形町支店/ヤマトインターナショナル東京支店人形町別館」。日通が建つ前は「人形町大映」と「人形町武蔵野館」という2棟の映画館が並んでいたところだ。昭和40年頃にはなくなっていたような気がする。現在は「NEX人形町ビル」(1991年7月築、12階地下2階)というオフィスビルに建て替えられた。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )