ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 



関口商店。文京区白山2-2
1988(昭和63)年3月13日

白山通りの白山二丁目交差点から西へ、千川通りへ抜ける横丁にあった看板建築。照井歯科医院のところから少し西へ行った向かい側。1986年の住宅地図にある関口商店と推定した。現在は「大嶋ビル」(1991年築)という5階建てのビルに建て替わっている。
外観は倉庫のように見える。あるいはこの辺りに多い製本所か印刷所かもしれないが、「商店」というからには印刷製本関連の紙などを卸していたのではないだろうか。二階の両端に銅張りの戸袋を置いた和風の窓の上に、円柱の飾りを両端に置いた浅いアーチの窓を造っている。装飾を兼ねた採光の窓なのだろう。
関口商店の後ろは比高10mほどの崖で、上に「白山閣」という日立製作所の迎賓館がある。写真後ろの木はそこの庭のもの。細川護晃(もりあき)という人の屋敷があったとこだ。『地図と楽しむ東京歴史散歩 地形編』(竹内正浩著、中公新書、2013年、1000円)から引用すると、「明治29年、最後の熊本藩主だった細川護久(もりひさ)の三男護晃が分家を創立するが、特旨により男爵となった。護晃が邸を構えたのが、小石川台が細長く延びた南端に位置する戸崎(とさき)の地である」「大正3年に男爵家が絶えたため、邸宅は細川侯爵家の別邸となった」「戦後日立製作所の所有となったが。白山閣という名は明治のころからあったようだ」。

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