ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




福山アパート東館。文京区白山1-4。2007(平成19)年2月24日

高台の西方2丁目の西に沿った崖の下、旧町名だと丸山福山町にあった古い洋風木造アパート。アパートの名称はその旧町名からきているのだろう。アパートは2棟からなり、上の写真は東館(当ブログが勝手につけた名称)で、崖下沿いの道(写真左のほう)と、そこから旧町名で指ヶ谷町の方に降りていく坂道との角にある。周囲は住宅地だがアパートが多く、一戸建て住宅ほどの小さな○○荘や○○アパートが密集したなかで、福山アパートは最も大規模なものだ。
Kai-Wai 散策乱歩な福山アパート(2004.11.20)乱歩な福山アパート (2)(2004.11.25)福山アパート(2009.08.08)』によれば、住人から聞いた話として、東館は関東大震災後に建てられたアパートで、西館は戦災で焼失し戦後に建て直されたものだそうだ。しかし昭和22年の航空写真を見ると、周囲は黒い瓦屋根の家が密集していて、少なくとも焼き払われたようには見えない。たまたま西館に焼夷弾が落ちてきたのか、あるいは改修したのを建て直したと記憶していたのかもしれない。





福山アパート東館。白山1-4。2007(平成19)年2月24日

崖下沿いの道から見た福山アパート。東館の敷地は三角形なので、南の側面はのこぎり状に段が付けられている。建物の南西の角には円柱で支えられた庇がある玄関がある。この部分は平屋陸屋根なので入ると玄関ホールになっているようだ。『都市徘徊blog>福山アパート』の写真が分かりやすい。
『Kai-Wai 散策』によれば、2004年の時点で東館はすでに空き家になっていて、取り壊されたのは2009年である。




福山アパート西館。白山1-4
2007(平成19)年2月24日

西館の方はほぼ正方形の平面で、3階建て。3階部分は全体が後退していて、壁を傾斜させることで、屋根裏部屋の体裁をとっている。崖下の道の門から北側の玄関が見え、扉が開いていて少し内部が覗けた。

現在は「サンピア白山」(2010年3月築)という、2棟のアパートに建て替わった。やはり東館は2階建て、西館は3階建てで、航空写真で見ると以前の福山アパートと同じように見える。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )