ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 



台東区立谷中小学校
台東区谷中2-9。1989(平成1)年5月5日

谷中小の旧校舎の写真はこの1枚しか撮っていない。戦前築の建物かどうか疑っていたのだ。三崎坂(さんさきざか)の通りから見える部分の後方に南北に長く校舎があったのだが、そのほうは民家の後ろになってよく見えなかったこともある。せめてもっと引いた位置からも撮っておくのだった。
写真の校舎は昭和11年の竣工で震災復興小学校には当たらない。谷中小のHP の沿革を見ると、関東大震災では明治36年に建て大正4年に増築した校舎の被害はわずかで、避難者を900名収容している。昭和9年に火事で校舎の半ばを焼失した。それが契機でRC造の校舎に建て替えたのだろう。
『日本近代建築総覧』では「区立谷中小学校(旧東京市谷中尋常小学校)、建築年=昭和11〈1936〉年、構造=RC3階建、設計=東京市、施工=上遠合名会社、備考=「東京市の学校建設事業」による、金曽木小学校と同じく当時下谷区におけるモデル校と思われる」。
「沿革」では、昭和11年1月25日が落成で、工費252,056円。平成元年4月からは校舎改築のため上野桜木2丁目に移転したから、撮影時には校舎はすでに使われていない。現在の校舎は平成3年4月に完成し、5月27日に落成式をおこなった。

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