ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 



池之端京屋。台東区上野2-12
1989(平成1)年頃

守田宝丹本店の隣が池之端京屋。江戸指物の店で、明治末創業の老舗である。漆器も扱っている。江戸指物の家具を普通に実用として使う環境はすでにない。伝統的な日本芸能に携わっている人が求める以外には、趣味の世界かと思う。
今はビルに建て替わっているが、写真はその前の銅板貼りの看板建築の店舗。こういう建物は関東大震災後に建てられたものと大方は決まっている。昭和22年の航空写真では周囲は焼き払われているが、京屋の一角は焼けていないように見える。
京屋の右に見えているのはコジマビルと三社会館池の端ビル。コジマビルの看板を現在のものと比べたのだが、4Fの「スナック淳子」が変わらずに営業を続けているかもしれない。三社会館ビルはレンガ風のタイルを貼った小さい縦長窓の、かなり古そうなビルだ。

1986年の住宅地図を眺めていて、仲町通りに知っている店を1軒見つけた。中央通りに近いほうで、ジャズ喫茶の「イトウ」。知っているとはいっても一度入っただけのことだ。『 東京ジャズ喫茶紀行 上野』には「壷屋」の解説のなかで、「・・・硬派で鳴らすジャズ喫茶の超有名店「イトウ・コーヒー」・・・既に閉店してしまって久しい・・・会話禁止の生粋のジャズ喫茶。 また、ジャズを流す前から営業を続けており、確か東京で何番目かに古い喫茶店。 ・・・ドア・ガールと言って、常に美人ウェイトレスも雇っていた店。」などと書かれている。店内は中央の通路の左右に二人がけシートが奥のスピーカーに向いて並んでいた、と思う。

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