ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




馬車道大津ビル。神奈川県横浜市中区南仲通4-43。1987(昭和62)年8月9日(2枚とも)

見たところちょっと古いが普通の四角いビルである。実際には鉄筋コンクリート造りで窓の小さなビルは数が減ってあまり見かけることがなくなったのだが、年配者だったら大津ビルのようなビルが一般的なものといまだに思っているようなところがあるのではないかと思う。神奈川県立歴史博物館(旧横浜正金銀行本店)の重厚な建物に向かいあって立っているので余計に目立たない。しかしよく見るとなかなか美しい建物である。外壁のタイルは4階窓の上ではアールデコ模様を形作っている。この目立たない装飾も好ましい。
上の写真ではビルの角に電柱が立っているのが記録されている。現在、馬車道通りの電線は地下に埋設されたようだ。
『日本近代建築総覧』では「協同飼料研究所(旧海上火災保険ビル)。建築年=1936(昭和11)年、施工=大林組」。東京海上火災保険横浜出張所として建てられ、1970年代には協同飼料研究所が入居していたということだろう。「馬車道大津ビル」の名称はいつ頃から使い始めたのだろうか。
窓の図鑑建築家・木下益治郎資料展(2007.11.08)』で知ったのだが、大津ビルの設計者は木下益治郎だと判明したという。工学院大学後藤研究室の二村悟・戸田啓太氏などの調査によるらしい。



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