ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




東洋キネマがあった頃のさくら通り。千代田区神田神保町2-11。1985(昭和60)年2月24日



東洋キネマ。1983(昭和58)年9月

『近代建築ガイドブック』(東京建築探偵団著、鹿島出版会、昭和57年)によると、設計:小湊健二、施工:西林組、竣工:昭和3年。解説文に『……一電機技師の彩管によるものであるが、そうした震災復興期のダダ的熱狂の余熱を今に伝える唯一の作……』とある。
『建築探偵の冒険』(藤森照信著、筑摩書房、1986年)には設計者が判明した事情とその小湊健二との対談が書かれている。
『東京路上細見1』(林順信著、平凡社、1987年)に映画館だった東洋キネマの写真が載っている。建物中央のギザギザの半円の上に東宝のマークを掲げていて、クレージーキャッツの「クレージーメキシコ大作戦」という映画の広告があるから1968年の撮影だ。建物右の四半円の下にスチール写真を掲示したショーケースがあり、建物中央の茶色の柱に券を売る窓口が開いている。閉館したのはいつで、どんな映画がかかったのだろう?



東洋キネマ。1987(昭和62)11月1日

撮影時の住宅地図では「(合)東洋キネマ/東洋プロダクション/東洋映像視聴覚センター/スタジオコモン」となっている。写真の足場は外壁の塗装のためのもの。すでに四半円の左にあった「TOYO KINEMA」の文字がなくなっているが、この時丸窓の上の「東洋キネマ」の文字も外された。解体される前は明るいクリーム色になっていた。
建物中央の「急告」の掲示板は地上げに関係したものらしい。写真から読み取ろうとしたがちょっと無理だった。

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