ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 



寿ビル。千代田区神田神保町1-3。左:1983(昭和58)年9月、右:1991(平成3)年頃

左の写真は隣の冨山房がまだ旧ビルだ。アーケードの下の白い袖看板はビル左側の東京時計商会のもので、電飾の方は「JOYLAND」。ゲームセンターだろうか?
寿ビルは杏花楼という中国料理の料亭として建ったもので、設計者は森山松之助、1929(昭和4)年の竣工。杏花楼は後に中華第一楼に変わったらしい。「廃景録>消えた近代建築」によると、現在では銀座の越後屋ビルで営業しているという。
ビルの左側上部に「Shoes & Boots」の文字が残っているから靴屋かその関連の会社が入っていたときがあったわけで、ビルの左側は最初から事務所に使っていたのかもしれない。
アーケードが取り除かれたら、杏花楼だったときの中国風の屋根を乗せた入口が現れた。



寿ビル。1992(平成4)年5月5日

『改変によって過剰な装飾の持ち味の大半が失われたのは惜しまれる』(『帝都復興せり!』松葉一清著、平凡社、1988年)というが、これ以上の装飾がどういうものだったのか想像できない。

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