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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

【ある寓話】都市はデザインする

2012-07-11 23:43:40 | 写真とおしゃべり

      ひとはいろいろと行動をする動物なのだ

      手足にとどまらず体のどの部分も使った

      頭をさえも使った 物を乗せて運んだり 

      帽子のようなものを乗せる台としてもだ

     

      道具を使うようになった とても便利だ 

      「食う寝るところ住むところ」が広がった

     

      やがて道具は体から引き離されていった

      機械の発明だ ものがたくさん作られた

      今まではできなかった大きなものさえも

        

      それらが集められ環境が飛躍的に変わり

      都市という場所が現われることになった

      人間の欲望をなぞったものが集約される

     

      あまりにも多くのものが集められたので

      欲望しているのが何かもわからなくなる

      要るから売れるのか売れるから要るのか

      何がなんだかさっぱりわからなくなった

     

      だけど都市はでんと構えて言い張るのだ

      「それらはみんな君たちに必要なものさ」

      

      都市にはインフォメーションという命令

      ガイドラインといった指示が縦横にある

      それに従わないと迷路へ落ち込む仕掛も

     

      だからああやっぱりこれらは要るんだと

      すっかり納得させられてしまったうえに

      そこが古里でもあるかのようにまどろむ

        

      デザインされた都市が私たちをデザイン

      「都市の都市による都市のための都市」だ

      こうして私たちは都市の血小板となった


コメント
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