ひとはいろいろと行動をする動物なのだ
手足にとどまらず体のどの部分も使った
頭をさえも使った 物を乗せて運んだり
帽子のようなものを乗せる台としてもだ
道具を使うようになった とても便利だ
「食う寝るところ住むところ」が広がった
やがて道具は体から引き離されていった
機械の発明だ ものがたくさん作られた
今まではできなかった大きなものさえも
それらが集められ環境が飛躍的に変わり
都市という場所が現われることになった
人間の欲望をなぞったものが集約される
あまりにも多くのものが集められたので
欲望しているのが何かもわからなくなる
要るから売れるのか売れるから要るのか
何がなんだかさっぱりわからなくなった
だけど都市はでんと構えて言い張るのだ
「それらはみんな君たちに必要なものさ」
都市にはインフォメーションという命令
ガイドラインといった指示が縦横にある
それに従わないと迷路へ落ち込む仕掛も
だからああやっぱりこれらは要るんだと
すっかり納得させられてしまったうえに
そこが古里でもあるかのようにまどろむ
デザインされた都市が私たちをデザイン
「都市の都市による都市のための都市」だ
こうして私たちは都市の血小板となった