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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

安い! 新鮮! 旬のものばかり!

2008-08-08 01:34:24 | よしなしごと
 母の入院している病院へ都合の付く限り日参しています。
 約、半日がつぶれるのですが、なさぬ仲の養子である私を育てるために、彼女が過去に費やしてくれた時間に比べれば、たいしたことではありません。今日、私がこんなにいい子でいられるのは、ひとえに彼女のおかげなのですから。

 負担でないといえば嘘になりますが、しかし、そのお陰で学んだものも多いのです。
 老人医療の現状、病院と介護施設の連係プレイ、そして、「尊厳死」なんていくら事前申告しておいてもその適用範囲はきわめて狭いもので、人はその時代の死を死ぬしかないということなどです。

 それらについてはまた述べるとして、もっと直接的なメリットを書きます。
 母の病院へ行く途中に、この地の農協があり、その販売店があるのです。
 つい先日、そこへ寄って以来、ほとんど野菜はそこで買うことにしています。

 まず、なんといっても中間業者を経ないせいがあって安いのです。
 写真との対比で見ていただくように、まず、スーパーの三分の一です。

 


                  モロヘイヤ 100円
    オクラ(大)10個 100円
         楕円形のミニトマト20個 100円
  でっかいカリモリ 90円  おおば30枚 50円  ミョウガ12個 100円
  定評岐阜特産枝豆 120円       ジュウロクササゲ 100円

               <合計  760円>

 そして、ほとんどが朝とれですから、新鮮なんです。
 先日など、抜き菜を買おうとして、二袋残っていたうちの一袋を選んでレジへいったら、レジのおばさん(農協の方です)がもう一袋を持ってきて、「明日になったら鮮度が落ちるから、これも一緒にもっていってください。料金はひとつ分で結構です」とのことでした。

 一つ一つの野菜に、作った人の氏名が明記されていますから、トレーサビリティ(追跡可能性)も万全です。
 中には、ひょっとして私の中学時代の同級生ではという名前もあります。

 欠陥があるとすれば、この辺りではハウスものの大がかりな野菜は作っていないため、季節外れのものは全くなく、すべて露地物で旬のものしかないことです。
 ですから、この時期、たとえば、大根や蕪はなく、また、水菜などの葉物はほとんどありません。

 しかし、これは欠陥でしょうか?季節の旬のものを食すというのが本来の食生活のあり方なのではないでしょうか。
 それを季節感を完全に狂わせてしまった現在の流通の方がおかしいのではないでしょうか。
 TVの料理番組も、平気で季節外れの野菜を用いますし、本来、食の専門家である料理人や講師が何のためらいもなくそれで調理します。

 私自身もそうした無季節的な感覚に犯され始めていましたから、ここへ来て改めて、それを学び直している次第です。

 面白いエピソードがあります。
 私があれこれ物色していたら、どっかのおっさんが「こんな捨てるようなものばかり持ってきやがって」と悪態をついているのです。
 振り返ってみると、そのおっさんも明らかに農家で、指さしているのも自分の知り合いの作ったものらしいのです。しかもその目は笑っています。

 レジ係のおばさんは、「なにいっとるの。あんたんとこだってちょぼちょぼだがね」と言い返していました。
 そしてわたしに、「この人は口が悪いでほんとにしたらあかんよ」といいました。

 私は、「捨てるようなものかどうかはともかく、お値打ちで新鮮なのでありがたく利用させてもらっています」と答えました。
 そしたらそのおっさん、「ほれみろ、こんなこと言ってくれるひとがいるんやからもっとええもん持ってこなあかんのや」と笑っていました。

 ここへ行くと安いのでつい野菜を買いすぎてしまいます。
 結果として野菜料理が多くなり、野菜をたくさん食べます。
 お役人がご託を並べるのとはまた違った、地産地消の実践です。


コメント
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