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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

定点観測の面白さと危うさ

2008-08-03 05:31:42 | よしなしごと
 前にも述べたが、この三年ほど、南京ハゼの同じ樹を季節ごとに観ている。
 いわゆる定点観測である。
 動機は特別にはない。前に、紅葉がとても美しかったのでそれを撮ったのだが、季節が巡ったある時、その同じ樹の下を通りかかって、「オヤ、こんなにも表情が違うのだ」と思ったのがきっかけだ。

 
             6月13日 花のつぼみ
 
 もうひとつの理由はは、この樹は、県立図書館と美術館の間にあり、本を買う余裕のない私は月二回ほど、ここを必ず訪れるのだ。

    
                  同上

 まあ、そんな事情を離れて、この樹が見せる四季折々の表情は美しい。
 私が写真を撮っていると、何を撮っているのですかと聞く人がいて、それらはたいていおばちゃんなのだが、「ホラ、これって美しいでしょう」というと、「あ、本当にきれい」といってくれるほど美しい。

 
                7月初旬 満開

 今回はこれまでの今年の集大成で、つぼみを付け始めるころ、花が咲き誇るころ、そして、実を付け始めた頃をお見せしよう。
 次回は、葉が紅葉し、実がはじける秋の予定である。

    
                  同上

 全く話は違うが、あるネット上で、過去の世界史的な事件や戦争は、全てスパイや工作員(主として共産主義者の)によって起こったという書き込みにお目にかかって、戦争というものは単に工作員やスパイの暗躍によって起こるものではなく、それなりの内在的要因があったのではと書いたところ、「お前はソ連の工作員か」と書かれてしまった。

 
              7月下旬 実を付けた

 彼はどうやら、もはやソ連という国がないこと、その中心であったロシアが今や資本主義化に懸命であり、その過程でいろいろな問題があるものの、それらはもはや「共産主義者の陰謀」で括れるものではなく、むしろ遅れてきた資本主義国の原始的蓄積段階の諸問題であることを全く理解していないようである。

 
           青空に向かって自己主張する実たち

 おそらく彼は、1980年代までの冷戦構造以来の情勢変化に対し全く不勉強で、未だに「ソ連」の脅威を言い立てているようなのである。

 確かにロシアは脅威になるかも知れない。今の国家資本主義的な中国がそうであるように。
 しかしそれは、「共産主義化」の脅威ではなくて、資本主義的市場競争での脅威なのである。

 
            秋にはこの実が育ち、弾ける

 定点観測も、彼のように、20年前の視点から変わらないとすれば、そこから得られる観測結果もあまり当てにならないと自戒した次第である。

かつてCIAの手先だといわれた私が、今度はソ連のGPU の手先だとは・・。
 長生きはするものだ。








コメント
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