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今日はなにいろ?

長い家の殺人~歌野晶午~

2007-10-12 11:54:19 | 読書感想文
歌野晶午は最近デヴューした作家かと思っていたら、けっこう長いキャリアを持つ作家さんだったんですね。

この「長い家の殺人」は約20年前に発表された彼のデヴュー作。
内容は本格的な推理小説で、最近読んだ彼の小説(「葉桜の季節に君を想うということ」や「密室殺人ゲーム王手飛車取り」)などとは作風が異なっている。

ところで、最後によく「解説」などと題して、他の作家や評論家の短文が載っているのだが、この文庫本には島田荘司さんが「薦」と題した文章を載せていてる。
これが凄く心に残った。
もし、島田さんがあの時歌野さんと出会わなかったら、あるいは、粗雑な扱いをしたら、今の歌野さんはいなかっただろう。運命と言う言葉を強く思った。
それにこの「薦」と言う文章はエッセイとしても、とってもステキな文章で、これを読むだけでも、この文庫本を購入して良かったなと思った。