イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

木村トキムラ

2008-02-01 23:36:45 | アート・文化

周回遅れになってしまいましたが、125日(金)放送の『爆笑オンエアバトル』。チャンピオン大会が迫り、客席審査員も「このひとタマにあの3勝組の可否が…」とつい慎重になる時期ではないかと思いますが、そんな目に見えない、重苦しい地合いを吹き飛ばす513kb1超新塾

流れの大枠はこの人たち、気持ちいいほど変わらないので、いつもの出だしのコブラの奇声がワンタイミング遅れ、「タイオウしてやろうぜ」でタイガーが噛んだ時点で、今日は“飛ぶ”日かなとも思いましたが、その後よくぞ持ち直し巻き返した。前半キメの人文字「毛!」が圧倒的だったね。底力みたいなものをこの人たちに初めて感じました。タイガーの山本晋也カントク、コブラの「どんだけカツゼツ悪いねん」に続いて、マンモスの“高木ブー的タヨリナキャラ”も堂に入ってきた。

“超シンジュク”と名乗って革ジャングラサンで決めてるにもかかわらず基本的には関西弁仕様のお笑いというアンバランスな可笑しさも、ここへ来て効いている。今回で確保したチャンピオン大会出場権、準決勝を突破して決勝で“いつもの流れ”をひと皮剥き、意外性を爆発させれば大化けするかもしれない。5人組のオンバトチャンプってのも一度ぜひ見たいな。頑張れ。

同じく安定感を発揮したブロードキャスト473kb2位。ボケ吉村の「この服良かれと思って着てます~」はタイムマシーン3号の「頑張れ半袖負けるな短パン~」、遡ればハリガネロック「目離れてました~」と一緒の、名乗り笑いキューなのかな。「こっちボーボー、ボク房野」など要所要所でちょっとドタバタ気味だったけど、全体的にはダレずに笑えた。「お母さん寝込まなくていい!」でいちばん笑ったな。「この服」の掴みに頼らない、漫才フォーマット取っ払ったガチのコントもぜひ見てみたい。

3位の465kb三拍子は出だしの「華がある人が出て来ましたよ」「見た目だけでしょう」は演順ひとつ前のカンカン(8325kb)のネタに関連してたのか。『オンバト』は客席のノリ、上り坂下り坂をそのまま伝えず、オンエア分だけカットしてつなぐので、こういう現場での突発ポイントが、前組オフエアのために無駄足になってしまうことはよくある。

それを吹っ飛ばすほどのデキとも言えなかったけど、「オマエのこと好きなんだけど」のサブリミナル→「ずっとこうしていたい」の伏線周到さ、“伏”(久保が目をむいてるだけ)の時点でもきっちり笑い取ってく辺りはやはりオンバトベテランの味ではあった。それにしてもネタ前自己紹介のシャツ着る前の高倉はナチュラルにゾンビっぽかったな。超新塾同様“いつもの感じ”で駒を進めたチャンピオン大会で一発冒険して見せてくれないか。

ま、ぶっちゃけ“いつもの感じ”でネタ構成した組のほうが概ね成績いいチャンピオン大会なんですが。こちらは審査にタッチできない、いち観客だもんでね。

5409kb天津は、ボケ向(むかい)のキモヲタキャラはそのまま、オーソドックスなコント漫才で新境地を見せた感がありますが、それよりなにより、月河はパッと出から丸顔マッシュルーム頭の向が、あの世紀末挿絵巨匠オーブリー・ビアズリー描く『サロメ』画中に洒落ノリで描きこまれた作者オスカー・ワイルドそっくりに見えて仕方がなかった。あの、サロメと全裸のヨカナーンが右端に立って、雲間の月がワイルドの顔に見えるやつね。ヲタ眼鏡かけさせたら向そのまんま。

噂の萌えジャージも、オンエアでは初見でしたが、テンポはいいし、そんなにキモヲタにこだわらないで普通に漫才でコンスタントに玉稼げるんじゃないか。409というkb数からすると、客席は物足りながっているのかな。這ったり立ったりのコント漫才としては、ちょっと四肢や身体のキレがパンチ不足か。

今回いちばん新鮮に笑えたのは4421kbカオポイント。店長と万引き犯が「先輩~」「イシバシかぁ~」「テンション上がるなぁ~」となるところで前半のピーク、「実は本社に依頼されてテストしていたんだ」で後半にもひとつ意外性のピークを持って来られたし、「あーもう思い通りに行かないなぁー!盗みてータダで飲みてー!」に至るまで、どんどん声が前に出てくるようになる過程、観てて爽快だった。

このネタ何が笑えるって、“面倒見よかった部活の先輩が万引きするようなしょーもな人間になっちゃった”というもの悲しさでなく“部活時代から常習犯だったのに、人のいい後輩がパンや肉まんに目がくらんで気がつかなかっただけだった”という鷹揚なマヌケさにネタ世界をまとめた、その枠組みが可笑しいんだな。

これが5回めの挑戦での初オンエアというのが意外ですが、今回のデキを見る限り、4回連続でネタがつまらなかったとは考えにくいし、丸刈り強烈キャラのオクマンにしてもジェフ市原時代の小倉隆史選手似で、初見の客席が引くほどぶっ飛んだ顔面ではないので、“演り急いで声が前に出なかった”可能性が高い。

こういう“オンエアまでの助走が長い”組の予習のためには、オフエア時の敗者コメントやジャッジペーパー字幕をちゃんとチェックしておく必要がありますね。次回挑戦が楽しみなニューカマーが増えて、まずはめでたい。

コメント
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