イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

孔雀

2008-02-16 23:28:02 | テレビ番組

『爆笑オンエアバトル』2152410~放送、またもやと言っていいものか、なんとも納得しにくい結果と得点でした。計量で、5GAP 453kbに軽く驚いたあとエレファントジョン365kbで「やっちゃったか?」と思い、チョップリン381kbで「ギリギリかな」と思い、Bコース465kbで再び軽くびっくりしたあとハマカーン361kb「やっぱりやっちゃったか?」とやたら浮き沈みしましたが、結果この5組がオンエア。全体的に妥当でないこともないけど、高得点の組は高得点の理由が、低得点組も低得点の原因がいまひとつわからない回になりました。

低いほうから2エレファントジョンハマカーンが、ネタとしてはいちばん落ち着いていて、安心して見られたように思うのですが、大詰めでチャンピオン大会進出がかかった組には点が辛くなる傾向は以前からあるし、そういう局面ではこの両組、客席審査員ひとりひとりを「自分が玉入れなくても大勢入れるだろう」という気持ちにさせやすい芸風とたたずまいではある。

エレファントジョンは今期の彼らのオンエアの中でも上出来の部類だと思うのですが、依然としてアンタッチャブルに似ている感は続いているし、ハマカーンも今回に限っては、“宮本武蔵の箸ハエ取り”パートが笑い飯を思い出させ過ぎた。それにしても前者は“部活”で体育会系汗くさワイルド、後者は“尊敬する歴史上の人物”でこまっちゃくれ文化系と、コンビとしての持ち味をよく出していて、5060kb分ぐらい、バケツが計量前に底抜け漏れしたのかと思いました。

上位2組のうちBコースは、どう考えてもここ23オンエア時に比べて粗かった。リーダーがスリッパでパコーンつっこむ昭和ドタバタコントも、黄色のヘン顔や、黄色と赤が相次いでオカマになる奇声重奏でしか、テンションが増幅しなくなってきている。それにしても今回はハブの頭をボールに見立てての「バスケがしたいんです」→「パンクした?」のくだりの、突き抜けたバカバカしさでだいぶ持って行った。

25GAPもドタバタ芸ですが、実際カラダの切れやアクションのテンポはそんなに良くなく、照明落ちて『パルプ・フィクション』のBGMでカンフー決闘に入ってからは、突いたりこけたりいろいろ痛そうでリスクが高いわりにかえって退屈で、TVではなくナマで会場で観てたらそれなりの迫力はあっただろうことを斟酌しても、燃費が悪い。むしろその前の夫婦コント部分のほうがナンセンスの可笑しさがあったと思う。「ご飯にする、おかずにする?」「一緒に食わせろ、なんで別モンだよ」はタカアンドトシまんまでしたが、ここまで堂々直球だと、もうパクリというより“古典踏襲”でしょうね。

神田愛花アナに「これはあの、何……新しいお笑いのジャンルになるんですか?」とウルトラ天然あっけらかんと訊かれて「一周回って古いのかもしれません」と久保田が答えていたのがちょっと嫌でした。それは当事者というか、演者だけが含んでおけばいいのであって、観客に説明しちゃったら終わりじゃないかな。このネタ後トークは滅多にオンエアされないとは言え、マジ素でマジ答えせず「お笑い史上前人未到、誰もやったことないジャンルです」とシレッと言い放つくらいのシャレ感覚を持ってほしい。

あるいはいっそ“かもしれない”ではなく、「一周回って古い“です!”」と言い切っちゃうか。こっちのほうがカッコいいかな。

5位でもいいkb数で結果的に3位になったチョップリンが、kb数としてはいちばん順当な評価かも。ネタ前Vでの“今日のネタのポイント”を聞いて思わず映画『ひとひらの雪』の秋吉久美子さんが脳裏によぎったあなた………じゃなく月河はそうだよ!中年だよ!(←逆切)。しかし♪ギミギミシェイク ギミシェイク でシトシトピッチャンになっちゃう小林も中年テイスト全開ではないか(実年齢32歳)。

雷鳴暗転時に“患者のリズム感が治ったら医者に移っちゃう”予想がついたし、「歌で女の子を落とすのが得意技」と振った時点で“治っても、もともと音痴”展開も読めたのが残念。全体にこの人たち、ネタ一本に3ヶぐらいはアイディアがほしいところをワンアイディアないし15アイディアぐらいで、間に詰め物をして作っている感がいつもあり、発想のアベレージがそこそこ斬新なわりには毎度“笑い満腹感”が少ない気がする。今回も、医者側から仕掛けていくところがもう少しほしかった。

今回のような結果を見ると、“おなじみの芸風をいつもの感じで見たい”お約束レール上の期待と、“それじゃつまらない”いい意味での裏切りへの期待との間で、客席審査員の皆さんも、それこそシェイクしているのがよくわかります。

次回(22日放送予定)の期待株は我が家でしょうか。前回の“コンビ+1”漫才スタイルがとてもよかったので、次回もそれで来るか、コントに戻すのか。一枚殻を破ったところを見せてくれるかもしれません。

コメント
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