山形の過去、現在、未来

写真入りで山形の歴史、建物、風景を紹介し、併せて社会への提言も行う

住民自治は厳冬の中から

2006-01-13 14:11:30 | 街づくり
 たとえ他に何もなくても、いろりに炎さえあれば、皆は少しもたいくつすることはない。炎は形ある薪木をしばしの時間をかけて灰にする。その経緯をながめているだけで、何となくしみじみとした情感が湧いて来る。
 いろりを囲む農民たちは炎のゆらめきを眺めながら、さまざまな想いをめぐらし、色んな話題をぶっつけ合う。
 やがて自在鈎につり下げられた鉄びんの湯が熱くなり、湯気が上り、快い音を響かせる。薪は一層パチパチと勢いよく燃え上り、煙もゆったりとその姿をくねらせる。
 火種が少なくなった部分に誰とはなしに薪がくべられる。こうして炎がある限り語らいは続けられる。たとえ沈黙の中でも、炎と煙、湯気と鉄びんの音は何かを語ってくれる。こんな語らいの中から、農民たちの助け合いの精神が生まれたのであった。

“Kinna kiida tenki yohou dado,kyou wa Niigada adari wa atakagu nate,nadare ba sunpai sannane te yuu hanasu dagento,naedate Yamagada wa samui nnega? ”“Ndazu nee! Ora no te mo tsuttakute wagarane-ssu.”“Magi ba tanto kubede heya ba motto atakagu sunbe-ssu.”[訳]→ 「昨日聞いた天気予報では今日新潟辺りでは暖かくなって雪崩の心配をする必要があるとの話ですが、何だって山形は寒いではないですか。」「そうですね。私の手も冷たくってどうしようもないですよ。」「薪をたくさんくべて部屋をもっと暖かくしましょう。」

※近郊の某集会場で語り合う男衆。文章は管理者(写真、文とも30年前)
※今日の朝の最低気温は-9.3℃、最高気温は-1.3℃で真冬日




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2 コメント

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こちらは暖かかったです (ちょびママ)
2006-01-14 00:59:42
いろりのある風景はいいものですよね。

今じゃこんな時間は贅沢なものになりましたが。。。

それでも山間部の藁葺きのお宅にはいろりがあったりします。

あれ、不思議なんですけど、いろりを見たら思わず囲んで座りたくなっちゃうんですけど。

不思議な魔力を持ってます。
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餅焼く火鉢もほしい (蔦旗(tsutapata))
2006-01-14 13:41:00
囲炉裏も欲しいが、火鉢も欲しくなった。火鉢の上に網わたしを置いて餅をひっくり返しながら家族や友人と喋り合ったのも今は懐かしい思い出です。
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