明日から3月だ・・・今の段階でエントリーシートを書いているのが遅いとは断言できないが・・・直観的に遅いという感覚、それは森下(8期生・和光大学講師)の考えすぎとは言えない。友希(22期生・同志社大学経済学部3年)と話をした森下のダチ、キッコーマンのやり手の女性もまた共通認識だったのだろう。感覚・・・その気配めいたものか。
エントリー先は決まっている・・・ほぼ20社ほど。克典(某企業)はそれでは少ないと言う。本命企業だけでなく、その周辺部にまでターゲットを広げる。行く行かないはともかく、説明会や面接に参加することでその業界知識に積み上げることができる。しかし、エントリーシートの完成度が今いちという友希に、もっと関連業界のOBやOGの話を聞くようにとアドバイスする。
近鉄新田辺駅近くの『ピノッキオ』・・・横山(4期生・花王CM)や越知(4期生・旭洋)はここでパスタを食べたのかな。
そうそう、東京への単身赴任かつ元脇田山自治会長の横山へ。もし友希が東京へ行くとなったら、その時は時間を取ってやってくれ。頼む。
俺が感じた不安・・・エントリーシートを書いている自分、あるいは面接対策をしている自分、説明会でうなずきながら説明を聞く、あるいは聞いたふりをする自分・・・そんな自分を愛せるのかどうか。友希はそんな気持ちを抱えているのではないか。
なぜ、そんなことを考える・・・たぶんそれは、今まで教えた生徒のなかで友希が俺に一番似ているからだ。
ともあれ走り始めたのだ。あとはテープを切ったという自覚が持てるまで走り続けるしかない。
午後10時、塾に戻る。
星河が帰るところだ。残った中2は密航者一人、不安はこのあたりやねえ・・・これは漠然とした不安ではなく、明確な不安だ。