弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【書評(20-09)】「絶滅危惧職、講談師を生きる」(神田松之丞(聞き手 杉江松恋))

2020年07月26日 12時11分57秒 | 書評
こんにちは!
雨上がりの陽の光が眩しい@湘南地方です。

さて、4連休最終日。
結局成し遂げためぼしいこともなく、ただ掲題の一冊を読み、
YouTubeで「グレーゾーン【真打披露目ver.】」を発見して観る、そんな講談な連休。

神田松之丞、てっきり講談の一門の家に生まれたのだと思っていた。
少年期の父の自死が人格形成に深く影響を与えているであろうことは想像に難くない。
芸人として生きる覚悟を決め、神田松鯉に弟子入り。
講談会、演芸会にとって幸運だったのは松之丞がこの人格者を師匠としたことなのだろう。
唯一無二の親友「植松」との出会いも含め、個性的な他人との出会いが
ともすれば“コード”を外れがちな本人を救っているように見える。

講談、たぶんこの人が出てこなければ人生で触れることもほぼなかったであろう芸能。
自らを業界のアイコンとして位置付け各種メディアにも出張ることで、講談会のプレゼンスを高めようとしている。
マイナーな業界での奮闘ぶりになぜか共感する部分も少なくない。

上記新作講談なんかもそうだけど、
放送コードとか業界の暗黙の了解だとかそういったことスレスレのことをやる資格のあるウィットに富んだやり方。
「話芸」があるからできること。野暮なやり方ではこうはいかない。

若くしての真打昇進は、果たして福音なのか苦難の道の始まりなのか。
意志ををもって世の中を変えようとする人だと思う。見守りたい。
コメント
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