弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

事務所開設12年目!
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【知財記事(著作権)】申請に200万円必要・・・?

2024年06月21日 10時38分40秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
いよいよ梅雨入りかな…?な感じの@湘南地方です。

まーイレギュラーな事象に右往左往しているところですが、
一個一個、確実に対処していきたいと思います。

さて、今日はこんな記事

(mrtニュースより引用)
=====================
著作権に関する"うそ"を言って延岡市の水産加工会社から200万円をだまし取る 福岡県の男(79)を詐欺の疑いで逮捕

宮崎県延岡市の水産加工会社から、著作権に関するうそを言って200万円をだまし取ったとして、福岡県の男が詐欺の疑いで逮捕されました。
逮捕されたのは、福岡県北九州市の自営業、****容疑者(79歳)です。

警察の調べによりますと、野口容疑者は延岡市の水産加工会社の代表者らに対し、食品を販売するうえで著作権を取得することができないにもかかわらず、「著作権の申請には200万円必要」などとうそを言い、去年4月から6月までの間、2回にわたって、合わせて200万円を振り込ませて、だまし取った疑いが持たれています。

野口容疑者は、著作権など知的財産に関する仕事をしていて、延岡市の水産加工会社の代表者らとは仕事を通して面識があったということです。
(以下略)
=====================
(引用終わり)

んー。ツッコミどころ満載な感じで。

・食品を販売するうえでの著作権、って何だろう?
  商品パッケージとか、かな?
・著作権は、どこかに届け出をしなくても創作により発生します(無方式主義です)。
  登録制度はあるにはありますが、その目的は著作権関係の法律事実を公示するとか,あるいは著作権が移転した場合の取引の安全を確保するなどのため。
  詳細はこちら
・「申請には200万円必要」って。。。手続きにもよるけど、印紙代3,000円~+代理費用 なので、まあ法外にもほどがある。

こういうの、不審に思ったらちょっと我々専門家に問い合わせしてくれれば良いのに、と思います。
多くの事務所は相談初回無料枠を設定しているし(うちも30分までそうです)、仮に費用が掛かっても「200万円」とかそんな話になりはしない。

とまあ、正しい情報を伝播すべく今日も頑張ります。
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【知財記事(特許)】伝統知識や遺伝資源を使用した特許の起源明示義務

2024年05月27日 09時15分16秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
曇り空の@湘南地方です。

出張から帰ってきて色々リフレッシュされているはずなのだけど
梅雨入り前を感じさせるこの空気の湿り気がイマイチ気持ちの高揚を抑制するのか。

さてさて、今日はこんな記事。

(中日新聞より引用)
============================
特許出願で起源明示義務 先住民知財保護、WIPO
 【ジュネーブ共同】
世界知的所有権機関(WIPO)は24日、企業が新製品の開発で先住民の伝統知識や動植物の遺伝資源を使用した場合、特許出願時に起源を明示させる条約に加盟国が合意したと発表した。AP通信によると、南米アンデス山脈に生息する植物に由来する新薬の発明といったケースを想定。植民地の入植者に搾取されてきた先住民の知的財産を保護する目的がある。
(以下略)
============================
(引用終わり)

…判るような判らないような話だけど、
WIPOでこれまでの争点が簡単にまとめられていた。

============================
実質的な争点
遺伝資源には薬用植物や農作物、動物の品種改良が含まれます。

自然界に存在する遺伝資源は、知的財産として直接保護されることはありませんが、遺伝資源を使用して開発された発明は、多くの場合特許を通じて保護の対象となります。遺伝資源は現代の科学研究で利用されることが多いため、特許発明は遺伝資源に基づいている可能性があります。
遺伝資源の中には、何世代にもわたる先住民や地域コミュニティの利用と保全によって、伝統的知識と結び付いているものもあります。この伝統的知識は科学研究に利用されることがあり、したがって保護の対象となる発明を生み出すことに寄与する可能性があります。
同時に、遺伝資源および関連する伝統的知識は知的財産の領域を超えて、生物多様性条約 (1992年) およびその名古屋議定書 (2010年)、ならびにその他の国際協定で規定されている、遺伝資源へのアクセスと利益配分 (ABS) に関する取り決めの対象となります。

ハイレベルの政策課題
現代の生命科学研究は、遺伝資源や伝統的知識を利用した研究を含め、人類に多大な恩恵をもたらしています。しかし、遺伝資源および関連する伝統的知識に基づく発明に対して、新規性や進歩性、産業上の利用可能性などの特許性の要件を満たしていなくても特許が付与されることを、多くの国が懸念しています。このような「誤った特許」の付与により、遺伝資源および関連する伝統的知識の不正利用が助長されるとの議論があります。これは俗に「バイオパイラシー (生物資源の略奪行為)」と呼ばれています。

科学者や企業、公共部門の研究機関が、科学研究の多大な恩恵を享受しつつ、生物多様性に富む国家や先住民、地域コミュニティ、ひいては科学界全体の利益を保護するために、特許制度はどのように貢献できるでしょうか。
============================

こうした制度上の不都合ないし不具合の修正のために、「追加開示要件」として「遺伝資源および関連する伝統的知識の出所や原産国に関する情報」(特許性に直接関係しない情報であったため従来は開示義務がなかった)についての開示義務を定めることが提言された、というわけ。
…まあ、そういう情報ソースがないと審査する側も先行技術を検索することが事実上難しいだろうしなぁ。。

上記は知財法の枠組みだけでなく生物多様性、南北(先進国-途上国)の対立問題も含みながら協議をされ、今般合意に至った、ということ。
革新は伝統の基礎の上に成り立つところ、制度的な枠組みそのものがアンバランスだったのでその是正、という見方が適切なのだろうか。

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【知財記事コメント(商標)】「丸鶏がらスープ」3条2項登録

2024年05月08日 13時54分28秒 | 知財記事コメント
こんにちは!
今のところ空は明るい@湘南地方です。
夜に向かってお天気は下り坂、らしいですが。。。

さて、掲題の件。記事は以下の通り。

食品新聞より引用
=============================
味の素「丸鶏がらスープ」商標登録認定 30年の実績とブランド力で

味の素の調味料「丸鶏がらスープ」のロゴが特許庁から商標登録として認定された。一般的な商標は、商標としての識別力を持たないため、原則として商標登録の対象にはならないが、生活者や取引者から特定のブランドと認識されている場合は、例外的に認められる場合がある。

同品は1994年の発売以来30年間、積極的なマーケティング活動と継続的な品質改良や商品の見直しを行ってきた実績があり、がらスープ市場においてトップシェアを維持。商標登録に必要とされる高いブランド力を獲得したと判断し、2021年に商標登録を出願し、審判を経て、発売30周年を迎える2024年2月6日付で認定された。
=============================
(引用終わり)

商標は取引において商品/サービスを識別するための「標識」。
なので、“商品の普通名称そのまんまじゃーん”というものは、原則登録されない。
だが「原則」というからには「例外」があるわけで。
それが「商標法3条2項」に規定されている。

(商標登録の要件)
1(略)
2 前項第三号から第五号までに該当する商標であつても、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについては、同項の規定にかかわらず、商標登録を受けることができる。


商品の品質表示とか、ありふれた氏又は名、或いはごくありふれた記号については原則登録されない=独占が認められない。
しかし、使用の結果逆にそのマークがついているものは特定の出所を表すものとして需要者に広く認識された場合には、
その状態を保護しないと却って市場が混乱してしまうから例外的に登録を認める、というもの。

立証内容や結論について特段違和感はないものの、一つだけ気になったのが、、、
「ノミナル(=理由は追って補充)」での審判請求って、NGになったんじゃなかったっけ!?
という点。

J-Platpatでは誰でも無料で出願経過の書類(の一部)を閲覧することが可能。
で見てみたらノミナルで出してる。
確かにその後審判長の補正指示が出ているのだけど実質2カ月弱の猶予が認められている。

運用変更あったのなら当方の不勉強で申し訳ないのだけど、ちょっと違和感を感じた次第。
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【知財記事(特許庁リリース)】審査の質に関してのユーザ評価調査

2024年04月08日 09時41分33秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
曇り空☁の@湘南地方です。

すっかり季節は移ろい、春の空気ですね。
部屋で活躍する空調機器が暖房から空気清浄機へとバトンタッチして久しいです。

さて、掲題の件
毎年特許庁は調査の質についてのアンケートを実施し公表しています。

実際問題、実務に携わっていて
「それってあなたの感想ですよね」
と言いたくなる通知を審査官から頂戴することもあります。

その数(割合)は本当に極一部であることは事実ですが、
正直予定外の通知を受け取ると、アセります。
予見可能性が我々代理人の生命線なわけで、そのための研鑽も一応積んでいる、にもかかわらず
予想外の結論をぶつけられると、専門家としての自信が揺らぎそうになるのもさることながら
クライアントに対してのご説明に非常に困る。

まあ、だから審判制度があり、審取制度があるわけですけども。
「遠回り」で時間とコストを要してしまったお客様にはなんとも申し訳ない気持ちになることもあります。

人の振り見て我が振り直せ。
自分のスキルセットも、今一度見直すべき時期ですね。春ですし。

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【乗っかってみる】「お任せ」の功罪

2024年04月03日 08時53分53秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
曇り空が重ためな@湘南地方です。

さて、どんなネタ書こうかな…と思ってたら
同業の先生お二方がたまたま同じようなテーマでそれぞれ本日ブログを上げていらしたので、
乗っかってみることにします♬

・千葉の弁理士ブログ  -特許や商標等、お客様の「モヤモヤ」を「スッキリ」に!-
悩ましい言葉「先生にお任せ」

・弁理士アッカーの運まかせ人生
お客様のタイプ

どちらも、
“あるある…”と読みながら思わずつぶやいてしまいました。
特定のクライアント様の顔を思い浮かべたりしつつ(笑)

よく「ドリルを買う人が欲しいのは『穴』なのだ」という話を聞くと思うんですけど、
じゃあ特許事務所にご相談に来る方が欲しいのは何なのか…? というのを改めて考えてみたく。

クライアントが欲しいものは…専門的な知識? 第三者目線? 確かな事務手続き? 物書きとしての労働力?
…こうやって書いたものって、全部「こちらが提供できるもの」=「ドリル」の方なんだよなぁ、と。

じゃあ「穴」は?
…じつは、ご相談にいらっしゃる段階では“何が欲しいのか明確じゃないけどご相談にいらしている” 
というケースが多いように思います。

なので、「一緒に『穴』を探す」というのが、我々に求められている姿勢かな、と。
もちろん経験上、
"あ、その場合だったら対応策はAかBですね。それぞれメリット/デメリットは…"といったように
readymadeな「穴」をご案内する場合もありますし、
“うーん、どうしたらよいんでしょうね…”と一緒に頭を抱える場合もあります。

で、
まだ「穴」を探している段階で“お任せ”と言われてしまうと、そりゃ困るなぁ、というのが本音です。
こちらも何を正解(少なくとも許容範囲内)と考えているのかを測りかねている時もありますし。

「穴」の候補が見つかり、それぞれの利害得失も概ね共有できたところで、どれにするかは”お任せで”というケースもあります。
その場合、私は必ずそれぞれの選択肢が孕む「リスク」から説明します。
後で“きいてなかったよ!”とならないように。暗に”お任せ”にせず、そのリスクの定量評価をクライアントにお願いします。
そこは、弁理士サイドにはわからないことなので。
(もちろんお付き合いの長いクライアント様の場合、事業に与えるインパクトをある程度推測することは可能なのでそれも織り込んでお話しますが)

「案件」という同一の事象を、クライアント/弁理士 それぞれの立場から違う目線で見ているので、
そのこと=目線は違うんですよ ということは都度都度伝えつつ、でも「私が社長だったら…」という見解も示す。
そんな風に間合いを近づけたり遠ざけたりして「焦点」を合わす作業を繰り返す。
その中で、「あ、通じてるな」と思ったら、後は“お任せ”いただいても大丈夫かな、と思うのです。

なんだか長々書きましたが、答えが一つじゃないものを売っているので、
クライアント様との距離感やクライアント様自身の経験によって対応は変わってくる、というのが実際のところかと思います。

とまあ、今日はそんなところで。
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【知財記事コメント】知的財産活用事例集「知恵を『稼ぐ力』に~100社の舞台裏~」

2024年04月01日 08時50分31秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
朝は雨が降っていましたが今はもう上がっています、@湘南地方です。

始まりました2024年度。
節目っちゃあ節目なので、色々体制見直しつつ前に進んでいきたいと思います。

さて、日本商工会議所が掲題の事例集を発表。
この手のものは特許庁も弁理士会もその他の団体も発行していて、それぞれに気づきがあって面白いのだけれど、
本当に十人十色ならぬ「100社100色」で。

ただ、それが本当に良いことなのか?と疑問に思うこともないではなく。
一般的な知財活用のセオリーを踏襲した上で、さらにその上の取組みをしている事例と、
一般的な知財活用のセオリー「未満」のところを改めてやっている事例と、が混在しているとも思える

…いや、ベクトルとしてはどの会社も「活用して事業を高めていこう」という方向性なのでその点については何も異論はないのだけど、
「知財」というものが以前よりも普遍的になってきているのだから、その活用法の浸透もより急ピッチで進めていく必要があるんじゃないかと、
かつて“過疎地区”だった知財村の住民としては思うわけです。
観光客が来て喜ぶんじゃなくて、それこそ「関係人口」を増やしていく施策を打っていかなければなあ、と。

まあ、一住民として魅力あるコンテンツを少しずつ輩出していこうと思いますよ。はい。

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【知財記事(主に商標)】税関における知財侵害品の差止状況

2024年03月13日 09時21分57秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
青空果てしなく広がる@湘南地方です。
♬こ~ころはブルースカーイブルー♪
…わかるあなたはきっと関西人。

なお、当職は今朝食べたハスカップの汁がYシャツの袖に飛び、
応急処置をしたもののシミとして残ってしまい別の意味でブルーです。。

ま、それはさておき掲題の件。
3年ぶりに差止件数が3万件を超えたのだとか
ソースはこちら

侵害品の品目にも「トレンド」があるようで、
今年度は「タバコ」「喫煙用具」「浄水器等の家庭用雑貨」が激増した模様。

仕出し国は相変わらず中国が全体の約8割と圧倒的(件数ベース)、文字通りけた違い。
次いでベトナム、韓国、台湾。

面白かったのが…というと不謹慎なのだろうか、「差止回避工作」の工夫の数々。
立体商標が登録されている椅子の一部の形状を布で隠してみたり、
ブランドロゴエンブレム部分にシールを貼ってみたり。。
…その努力を別のベクトルに向ければよいのに、と思ってしまう。

統計からも、
模倣品の輸入差止には、商標権による保護が即効性があることが示されているかたち。
模倣の態様をある程度想定して権利を取っていくことも、ブランド防衛のためには重要な知恵になってきている。




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【知財記事(商標)】大谷翔平を商標出願!?

2024年02月28日 08時56分39秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
快晴の@湘南地方です。
放射冷却、ってやつですかね。朝やたら寒かった🥶


さてさて、今日はこんな記事。

(FNNプライムオンラインより引用)
=============================
メジャーリーグ、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手(29)の名前が、意外なところで話題となっている。

中国の企業が、「大谷翔平」という名称を商標申請しているという。

その企業に話を聞くと、驚きの答えが返ってきた。

“大谷翔平”を商標申請した中国の企業:
「野球選手ですか? それはよく知らないです。偶然かもしれませんね、偶然」

あくまで「偶然の一致である」と主張した。
(以下略)
=============================
(引用終わり)

で、実際に中国の商標データベースを検索してみた。



なるほど、国際分類25類(被服等の分野)について「大谷翔平」が出願されている。
出願日は2023/12/13。

で、記事の中では
“「もともと私が自分で作ったブランド名が“大谷”です。そのあとに自分で2文字を適当につけたんです。たぶんどこかで“翔平”という文字が見えてつけたのかもしれません」と回答した。”
とあるので、「大谷○○」で同一出願人が何かしら権利取得しているのかも検索してみた…が、
この出願人による「大谷」関係出願は検索の限り「大谷翔平」1件のみ。。ちなみに「大谷」絡みでの出願登録は451件。

まあ、真に受けて検索してみる方もしてみる方だけど(笑)
しれっと出願しておいて木で鼻を括る回答で煙をまく回答、というのはもはや何回みた光景か、と。

真似されるのは「有名税」、的な言い方を昔からされるけど、
本件は文字通りタダ乗りされている状態で、看過は良くない…と利害関係のない第三者として勝手に思ってしまう。
有名なスポーツ選手の名前はそのまま商品名として採用されるケースもあることから、
初動で結構ちゃんと対処しておかないと後々予想外の障害になってしまう可能性もある。
…とはいえ大谷翔平本人にしてみればグラウンド外からいきなり飛んできた球。
こんなのいちいち相手にしてらんないよなぁ、と思う。

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【知財記事コメント(プレスリリース)】特許庁×QuizKnock

2024年02月26日 09時04分36秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
雨上がり、快晴の@湘南地方です。

さて、2月最終週の月曜日。細かい時間も大事にしながら進めていかなければなりません。
といいつつ、今日はこんなリリースについて。

学校では教えてくれない 特許クイズ

…いや、むしろ「学校で教えてくれよ」という気はしている。
金融リテラシーと知財リテラシーは、学生の間からある程度身につけてないといけないんじゃないかなぁ、と。
今学校で学ぶことがムダだとは思わないけど(何がきっかけでその人の人生が変わるかなんてわからないから)、
大人になって知らないと困ることの一つではあると思うんだよなぁ。

呼ばれたら何時でも講師やりに行きますよ~(笑)
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【知財記事(著作権)】漫画のタダ読み被害 に思う。

2024年02月09日 07時49分45秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
トンネルの中@上野付近 です。
今日は🚅新幹線で移動中。

金曜日。何とか今日を乗り越える…!

さてさて、今日はこんな記事。

(日経電子版より引用)
=========================
海賊版の漫画ただ読み被害3818億円 2023年、民間調査

出版社などでつくる一般社団法人ABJ(東京・文京)は6日、海賊版サイトによって漫画が「ただ読み」された被害額が2023年に約3818億円に上ったとする推計結果を明らかにした。22年(約5069億円)から2割以上減ったものの、新型コロナウイルス禍直後の20年(約2100億円)を上回った。

文化庁の海賊版対策に関する会議で公表した。ただ読み被害はコロナ禍の巣ごもりを機に拡大し、21年にはピークとなる約1兆19億円に上った。その後、大手サイトが相次ぎ摘発されたことで縮小傾向にある。
(以下略)
=========================
(引用終わり)

コロナとともに一気に被害額が増え、大手サイトの摘発+コロナ禍の収束とともに“巣ごもり需要”の著作権侵害も減少…ということですかね。
それでもなお3800億の被害…この被害額推計ってどんな基準額によるんだろう?
記事では日本語版よりも外国語に翻訳されたものが多い、とされている。
侵害の発生地はどこなのだろう?
ちょっとそのあたりの情報が曖昧だなぁ、という印象の記事。

ともあれ、クリエイターとユーザー、保護と利用のバランスを通信技術が揺るがしている一例でもあるわけで。
こういうサイトの摘発にこそAI活用すればよいのでは?と思ってしまう。
というのと、電子書籍の価格設定ってやっぱりよくわからん。
自分でも一冊出しているけど、KDP(Kindle Direct Publishing)なので幾らにするかは出版サイド=私の裁量だった。

書籍というものの本来的な性質として、読んでみないとその価値が判らないわけで。
買い手が購入するかどうかは、厳密な意味で「費用対効果」をそこまで考えて買うわけではない。
いわば購入タイミングの「ムード」。

利益配分も、出版される書籍や出版社によってまちまちで。
先日もとある書籍の出版企画の打ち合わせに出席したけど、いわゆる「印税」の水準が本当にまちまちだな、と思ったし。
出版形態が昔と変わっているのなら、クリエイターと中間業者(出版社、電子書籍の運営会社)の利益配分は見直して然るべきじゃないかな、と思う。

文化的所産に関する売買なので、価値の感じ方も人それぞれ。
値付けは売り手がするもの、というのは商売の基本の基本なわけですが、
その基本が成り立つのは買い手側からみてその値付けに一応の信頼感があるからで。

一般の商材流通にあっては卸売の存在感が薄くなって久しいのだけど、
出版分野はそうでもないのかな。
まあ、有名な出版社さんから専門書を出す、ということ自体がひとつのブランディングになる、
という側面もどうやらあるようだし。
けど、「出版させてあげますよ。お金は取りますよ。」なんてオファーも過去にはあったりして、さすがに鼻持ちならないな、と思ったことも。

…本筋からだいぶ議論が逸れた。
何が言いたいかというと、
この記事からは、「漫画家が血のにじむ努力の果てに生み出した魂の結晶をただで読むなんてけしからん!」
という気持ちになるのだけど、
そう話は単純ではなくて、海賊版を撲滅したら漫画家さんが潤う、という話でもないんじゃないかなと。
そもそも論としてクリエイター側がもう少し手厚く保護を受ける方法ってないのかな、と感じた次第。
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