弁理士『三色眼鏡』の 業務日誌     ~大海原編~

おかげさまで事務所開設6周年!
今後とも宜しくお願いします。

【書評(19-10)】「夢をかなえるゾウ」(水野敬也)

2019年04月24日 08時57分58秒 | 書評
おはようございます!
結構重ためな曇り空の今朝の@湘南地方です。

さて、書評10冊目。むかーしちょっと話題になった本「夢をかなえるゾウ」。

(大まかなあらすじ)
関西弁なインドの神様「ガネーシャ」とある日突然同居することになった冴えないサラリーマンの「ボク」。
都度だされる課題に取り組んでいく中での教えと気付きを、過去の偉人を引き合いに出しつつ描いていく。

平たく言えば、“柔らかーい自己啓発本”。
ただ普通の自己啓発本とちょっと違うのは、読み手が読んで納得するだけじゃなく、実践に移すためのきっかけを文中にいくつか用意していること。
「靴を磨いてみる」なんていう簡単な課題から、読者にも呼び掛けるように書かれている。
それこそ、「成功法則」を押し付けるのではなく、「やってみる」ことを促す。

「成功」が何なのかは人次第だと思うけど、
それでも「成功」するために必要なのは“意識を変える”ことじゃなく、“行動をする”こと。
とてもシンプル。
やってみて、それから考えるくらいでいいんじゃないか。

多分、もう少し若い、社会人3,4年目くらいの人が読んで気付かされる類の本だろうな。
まあでも、オジサンが読んでも元気はもらえる、そんな本。

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【書評(19-09)】「国際線機長の危機対応力」

2019年04月09日 08時54分05秒 | 書評
こんにちは!
快晴!な@札幌です。

今日から出張。花粉は確実に飛んでいないはずなのに、、、鼻はなぜかズルズル。

さて、月5冊ペースは到底無理な状況の書評。
今日は掲題の一冊。高校同期K君のFB書き込みを見て購読。

旅客機の常識的な事実にちょっと驚かされる面もあるものの、
ことパイロットに限らず通用するであろう「金言」をいくつか得られました。

1)“機内アナウンスにはいくつかの鉄則がある。その第一は、正直に事実を伝えるということである。”
 -当たり前に思えて、躊躇しがち。「炎上対策は初動が大事」というのに似ている。

2)“自分の頭で考えていない訓練生の特徴は、何かをする時の「根拠」である。ある操作をした、あるいはしなかった時の根拠を聞くと、「誰々に教わりました」とか「先輩が言っていました」とか、人に答えが行き着く。”
 -学ぶ過程において、他者に対する敬意を持つことは大事だと思うけど、その後その「庇護」から離れて自分でやるとなったときに、その知恵や知識を本当の意味で自分のものにしていないから「根拠」を答えられない、ということだよなー。

3)「部分情報問題」と「完全情報問題」の一節。
 「部分情報問題」=ある問題を解くのに、必要な情報の一部が与えられない問題、「完全情報問題」はその逆、という前提で。
 “ところが、たまたまこの類推した情報が、事実と違うことがある。類推した情報が事実と違って事故になった場合、思い込みといって非難される。その一方で、じつは日常業務のほとんどが、類推によって足りない情報を補っているからこそ、実行できている事実は忘れ去られている。”
 -日常取り組む課題のほぼすべてが「部分情報問題」。明らかになってない情報を無意識に類推して日々解決していっているわけで。とはいえ欠缺している情報の量や質によっては解決には熟していない場面もあり。見切り発車のリスクを取らないことはできないんだよな、と。

全く違う職種の熟練者の方のお話に触れて、共感できる部分があることにはとても意味がある。
業界独自の課題って実は一部分で、多くは「人と何かをやるとき」の課題なんだよな、と実感。
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【書評(19-08)】元銀行員が教える「一生役立つ」お金の増やし方

2019年03月14日 08時43分53秒 | 書評
さて。
Prime Readingには無料保存は10冊まで、という制限があり、
読んでしまって保存しておく価値のないものは消去したいのでさっさと書いちゃう。

同じ元銀行員として、どういう資産形成術を開示してくれるのかな、
と思って読んでみたが…要は自分のFXサイトの広告本でした。

物価の上下動で預金(お金)の価値は上下する、と自分で言っているのに
老後夫婦で暮らすのに必要な額は3,000万円、と他人の言説にそのまま乗っかっている時点で
色々と整合性が取れてない。

タイトルや目次の“煽り”の割には。。。
朝からあまりネガティブなことを書くのもなんなのでこの辺でやめます。
他山の石、ということで。


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【書評(19-07)】「失敗図鑑」(大野正人)

2019年03月14日 07時58分26秒 | 書評
おはようございます!
今日は天気が良いけど風が冷たい@湘南地方です。

最近また、IMEの変換候補の順位がク○過ぎて困ります。
ここまでの入力でも

てんき → 転記
さいきん→ 細菌
こうほ → 好捕

が出てきてむしろびっくり仰天。
傾向が見えないのがまた困る。


さてさて、今日は書評、といっても、Prime Readingなので気軽にダウンロードしてみたら
ほぼほぼマンガだった。振り仮名とか完全に子供向け。

コンセプトとしては悪くなく、
“どんどん失敗しよう!
 世界に名を残したスゴイ人達だって(むしろ、スゴイ人達ほど)数多くの失敗をしている。
 そうすることで失敗から成功につながる道が少しずつみえてくる”
というもの。

内容としては、偉人の業績を、
1)その人の実績
2)その人の失敗=「アチャー」なところ
3)その人のほんとに偉いところ=「アチャー」を乗り越えたポイント
というフレームで紹介。

ライト兄弟、ココ・シャネル、フロイト、孔子、ベートーヴェン、スティーブジョブス、手塚治虫…
と時代も洋の東西もさまざま。

個人的に気に入ったのは「オードリー・ヘップバーン」の項。
果たして「失敗」なのか?は微妙だが、ヘップバーンは「コンプレックスの塊」だったそうで。
やせすぎた体、四角い顔、大きな鼻、高い身長、小さな胸…
グラマラスなスタイルが「女性らしい」とされて人気だった時代ということもあり、
それらと遠く離れている自分の容姿に自信がなかったらしい。

そこでどうしたか。

自分の美しくない部分を、美しいと感じてもらえるよう努力した、のだそう。
曰く、
「女らしさは、体で表現しなくても作ることができます。たとえば、木からリンゴを取る仕草とか、車から降りる仕草とかでね」
と。

果たして日常生活で木からリンゴを取ることがあるかはさておき、
謙虚な自己評価をベースに、少しでも改善しようとできる努力をする、という姿勢には共感できる。


…この本、下のムスメでも読めそうだな。

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【書評(19-06)】「多動力」(堀江貴文)

2019年02月13日 08時26分10秒 | 書評
おはようございます!
出勤タイミングだけ見事に雨に降られるミラクル。まさに「雨イジング」。

…はい、朝から一発かましたところで。

さて、昨日記事を書いた直後から、AmazonでKindle本を漁ってみた。
Prime会員なので、制限はあるけど「10冊まで読み放題」…なんかヘンな表現だが。
手元に置いて読み返す、なんて位置づけじゃない本、乱読用の本を調達するのにはちょうど良い。

そんなわけで、というのもなんですが、掲題の一冊。
同氏の本は以前に読んだことがあり、基本的にはそれに書かれていたことと変わることは無い。

・恥をかいた分だけ自由になれる
とか、

・人生に目的なんてない
とか、
まあ判っているよ、ということを改めて再確認するためにはちょうど良い。

あ、一個だけ“そうだよな”と新たな発見があったとすれば、

・仕事の速さはリズムで決まる
というところ。
大切なのは「速度」より「リズム」。なるほどね。
自分のペースを守って仕事ができるようなインプットのかたちを規定してしまえば、
淡々と処理できる。


まあ、これも一冊、ということで。
ホリエモンの本は、たぶんどれを読んでもだいたい同じようなことが書いてあるので、どれか一冊読めば十分かな、と。
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【書評(19-05)】「希望荘」(宮部みゆき)

2019年01月20日 11時40分26秒 | 書評
こんにちは!お昼を回ってややあたたかい@湘南地方です。

さて、久々の書評。
宮部みゆきのミステリーの中でも“穏やか系”に位置づけられる、「杉村三郎」シリーズ。
センセーショナルな、或いは猟奇的なサイコパスが出てくるような話ではなく、ごく普通の平和な生活を営んでいた人が偶々「悪意」という名のエアポケットにはまり込んでしまった。
そんな事件を外堀からじわじわと埋めていくストーリー展開がこのシリーズの真骨頂。
著者へのインタビューがまとまっていた。

「誰か」「名もなき毒」「ペテロの葬列」の三部作に続く中編集。
離婚をし、仕事も失い、愛娘とも別れて私立探偵事務所を設立した主人公。
何というか、普通の人。ただ、何かしら事件を引き寄せてしまう性質を備えてしまっている。

亡き父が生前に残した「昔、人を殺したことがある」という告白の真偽についての調査依頼から話が展開していく表題作。
ミステリーなのに、いやミステリーだからか、人情というものに強く惹きつけられる話。

宮部みゆき、同シリーズの最新作「昨日がなければ明日もない」も単行本で出ているけど、やっぱり文庫になってからだな。
旅のお供にちょうど良い。


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【書評(19-04)】「武家屋敷の殺人」(小島正樹)

2019年01月09日 08時59分47秒 | 書評
おはようございます!
空気の乾燥を肌のコンディションで感じる今朝の@湘南地方です。

珍しく?ミステリー。
いや、珍しいわけじゃないんだよね。去年だか一昨年だかの年末年始は宮部みゆきに余暇を占領されたし。

さて、お友達から借りたこの本。
長編だけど一気に読み切ることができる。
20年前の殺人事件と蘇るミイラの謎が解き明かされる。
いや、解き明かされた、と思ったら更にその奥がある。

ちょっと「やり過ぎ」「盛り過ぎ」感が否めない気もするけど、登場人物の描写が瑞々しいというか生々しくて良い。
伏線回収もきっちりできていて、良く練られた筋書きだなぁ、と思う。
一つの事件の「解釈」を何重にも上塗りしていきながら真相にアプローチしていく展開。
最後に待っていた、本当のどんでん返し。

長い休暇に読むのにはちょうど良いボリューム感。いや休み終わってますけど。

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【書評(19-03)】羽生善治 闘う頭脳

2019年01月04日 15時20分44秒 | 書評
こんにちは!引き続き事務所からです。
業務中ではあるのですが昼休みに読み終えたので、忘れないうちに。

あと、【書評】に通番を付すことにしました。

昨年末、名人位陥落とともに20数年ぶりの無冠となった羽生善治九段。
…いや、勝って当たり前と思われる期間が四半世紀も続く競技なんて、他にないよなあ。
そもそも勝って当たり前じゃないし。

そう、四半世紀なのです。
若い頃と今とでは持っている「武器」は当然違うわけで。
そんな中、未だ第一線に居続けている。
どのように力を、モチベーションを維持しているのか。その片鱗でも良いので知りたい。

そう思って手に取った本。
中身は本人へのインタビューもあれば対談の収録もあれば他の棋士の寄稿もあり。
立体的に羽生善治その人を知ることができる本。

巻頭のロングインタビュー。6つのキーワードが掲げられている。
(1)目標設定
(2)情報処理
(3)自己管理
(4)コミュニケーション力
(5)大局観
(6)モチベーションの維持

勝つことの意味、負けることの意味を突き詰めない、という一節が印象的。
「突き詰めちゃいけないと思っています。突き詰めると、答えはない、となっちゃうので。」
勝負の世界に身を置きながら、その意味は突き詰めない。

あと、
「結果が出ないときに必要なのは、それが実力なのか一時的なスランプなのかを見極めることだと私は考えます。
 実力の不足ならば、ひたすら努力するしかありませんが、単なるスランプだと思えば、じたばたしないで
 気分転換に努めた方がいい。」
というのは、結構今の自分には有効な処方箋。

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【書評(19-02)】「クレージイ・ドクターの回想」(なだいなだ著)

2019年01月04日 07時44分46秒 | 書評
おはようございます!
今朝も穏やかな晴れ模様の@湘南地方です。

2019年の目標を仕事/プライベートの両方で可視化。
その中に
・年間60冊分の書評を書く
というのを挙げてみた。

書評って、かなり難しい分野の文章だと思う。
後で引き合いに出そうと思う箇所を意識しながら読むことになるからどうしても少し「力む」し。

とまあ、そんなことを言いつつ、今回は全く力まない一冊。
精神科医であり作家であったなだいなだ氏。
本著はエッセイのかたちをとりつつ、著者の幼年期の思い出や学生時代の友人の話、患者や職場の人々のエピソードに言及している。
終始読者に話しかける口調で記されているので、なんだか落語を聴いている気分になる。

「試験というもの」「愛されるということ」
といった各タイトルはとてもシンプルながら、登場人物の描写はとても活き活きしており、40年以上前の文章とも思われない。

[お気に入りの一節]
「どこの病院に行っても、精神科の病院で天皇を名乗る患者に出逢わぬことはないであろう。」から始まるくだり。「春日天皇」と称する彼の一年の仕事は、医者や看護人や看護婦にボーナスをくれること。


…といっても本当の金などではない。便所で尻をふく時にしか使わないような、最低の浅草紙に、
 『医師××。汝に、日頃の忠誠を賞し、ボーナスとして、百万円を与える』
 と鉛筆でやっと読めるくらいに書かれたものをいただくのだ。不思議なもんで、毎年、年末になると、春日天皇のボーナスをもらわぬことには、年が暮れるような気がしない。そして、彼なりに、われわれの親切さに応じて、ボーナスを多くしたり少なくしたりする。
 『おれは百万もらったぞ』
 『あたしは百五十万よ』
 役に立たんとは知りながら、全く奇妙なもんで、矢張り、人より少しでも多くもらったりすると嬉しいものである。そして、今年はちゃんと、病院にまで不景気が押し寄せているらしく、春日天皇のボーナスが急に少なくなり、最高五十万円どまりであった。
 『ちきしょう。今年はいやにケチになったな』私たちはぼやく。ぼやきながら、その十分の一ほどのホンモノのボーナスを日本政府からもらう時、私たちの顔に自然と苦笑いが浮かばぬわけにはいかぬのである。


登場人物が実在したからこその活き活き感なんだなぁ、と。
参考になるわー。

 

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【書評(19-01)】かもめのジョナサン(完成版)

2019年01月02日 19時42分11秒 | 書評

色んな人と本の貸し借りをするのは、面白い。
その人の趣味趣向が判るというのもあるし、お勧めしてくれる本を通じて、その人がどのように自分を思っていてくれているかが判る。

今回も、年末年始ということで、とある人と交換で借りた本。
日中実家で過ごしてからの今事務所で読書中。
行き来の電車の中+αで読破。むかーし読んだような気がするけど、40年の時を経て書き足された「part4」は初見。

「ただ生きるために生きる」ことに倦み、
「飛ぶことの歓び」に身を投じたかもめ。
結果として生きる意味を知ったかもめ。

お気に入りフレーズ。

『カモメとは、自由という無限の思想であり、きみたちの全身は、翼の端から端まで、目に見える形をとった、きみたちの思想そのものにすぎないことを理解しなければならん』

下手にビジネス書を読むよりも、年の初めに読むのには良かったかな。
色んな迷いやマイナスな感情が削ぎ落されてスッキリした気持ち。



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