弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【コンサル】経営戦略と知財戦略

2020年06月25日 09時23分17秒 | 実務関係(著作権・価値評価・周辺業務)
おはようございます!
結構雨が激しくなってきた@湘南地方です。

さて、今週特許庁が
経営戦略を成功に導く知財戦略【実践事例集】
をリリースしました。

事例の殆どがいわゆる大企業のもの。
知財「戦略」という分野の性質上、個別具体的な出願や権利についてや技術要素についての言及ではなく
事業体としてのフレームワークや総論的な取り組みについての言及が多い。
そう考えると、知財「戦略」というよりは知財「マネジメント」論の色が濃い印象。

こういった事例を公表していただけるのと、
自分のクライアントに提案するにあたっての他社ケースとして引用しやすくなるのでとてもありがたい。
特に経営層に”刺さって”いくためには、比準対象になるような企業の例を示しつつ差分をどのように埋めていくか、
というアプローチでの提案の方が、少なくとも入り口部分では入っていきやすい。

いつも書いているけれど、こうした情報の入手はうちのような事務所にとっては「仕入業務」。
仕入をしっかりしておかないと、売り物が枯渇する。
もちろん、仕入れたものをそのまま横流しではなく、しっかり吟味して最適な味付けで調理して
”食べたいであろう人”を見つけて出す。

それぞれの事例は、それぞれの企業において正解であっただけで、
それをそのまま適用してもうまくいくわけがない。
事例から『成功のエッセンス』をどう抽出するかが大事。

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【経営×知財】知財戦略はファッション?

2019年08月09日 08時21分17秒 | 実務関係(著作権・価値評価・周辺業務)
おはようございます!
ナツナツナツナツ…



…はい、頭の中で「ココーナッツ」が浮かんだ人。あなた40代以上。




すみません。あまりに暑いものでやや故障気味。
※ちなみに、事務所内でも場所により温度差があり。
 私の机は日当たりの良い窓際にあり、エアコンからは最も遠いので、エアコンがんがんに利かせていてもときおりモワッと暑い。
みなさん、本当に熱中症には気を付けましょう。
今朝の7時のNHKのニュースでアナウンサーも言っていましたけど、
本人が気を付けるだけではなく、熱中症リスクがありそうな人には声を掛けましょう。


さてさて、昨日は経産省からこんなリリースがありました。

(経済産業省HPより引用)
=============================
2019年度知財アクセラレーションプログラム「IPAS2019」第一期支援先10社を決定しました!

特許庁は、スタートアップの事業を知財で加速させる知財アクセラレーションプログラム「IPAS2019」の第一期支援先企業10社を決定しました。支援先企業には、ビジネス専門家と知財専門家からなる「知財メンタリングチーム」が派遣され、事業を加速する知財戦略を構築します。
(以下略)
=============================
(引用終わり)

「事業を加速する知財戦略」…確かに心地の良い響きだし理想的。
これまでもベンチャーの相談を受けても、“ない袖は振れない”“まずは事業を進めないと。知財は後々”
というケースが多かった。
昨年度も同様の取組みがされており、「成功事例集」なるものが刊行されているが…中身が「成功事例集」じゃない(笑)
どちらかというと、スタートアップ用の知財ハンドブック、という趣き。

まあそれもそのはずで、
本来的に知財は、“事なきを得る”ためのツール
カッコいい服(=知財)を着たからもてるわけじゃなく、肝心なのは中身(=事業)。

とはいえ、世の中には如何にスッパダカで歩いている会社が多いか、という問題提起なわけで。
どうせ着るなら、組み合わせ(=知財権ミックス)とかマストアイテム(=キーテクノロジーの保護)とかインナーのおしゃれ(=オープン/クローズ戦略)とかに気を遣わないとだめよ、
ということを浸透させることは大事。

あと、あまり言われないけど、“TPOに応じた着こなし”というのもかなり重要。
子供と虫取りにいくのにカッチリとしたスーツを着ていく人はいない。
場に応じた格好、というのが、信頼にもつながる。

なんだかファッション誌的なたとえになっちゃったけど、そんなに外れてないと思う、知財戦略って。

そうそう。ファッションで一番大事なのは、
「予算に照らして分相応なものを選ぶ」ということ。
服にばっかり気を遣うわけにもいかないのだから、良いものを一揃え、というのが大事じゃないかなと。






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【知財教育】大学での知財教育

2019年03月18日 07時47分48秒 | 実務関係(著作権・価値評価・周辺業務)
おはようございます!
心地の良い少し冷たい空気と快晴の空、な今朝の@湘南地方です。

さて、気になった下記の記事。
山口大の知財教育プログラム、他大学での導入で効果 ~ 知財教育シンポジウム in 田町 2019 ~

こんなイベントがあったのか‥聴きに行けばよかった。

産学連携に関与して(というほどそんなケース数があるわけではないが)思うことは、「人/組織によって知財リテラシーの振れ幅が大きい」ということ。
連携本部の方の水準もさまざまだし、研究室の方(先生も学生も)も、知識が「まだら」。

そういう意味で、文系理系問わず1年時に知財教育を必修化している、というのは大変歓迎すべきことだし、
そうした取り組みが他大学に波及しているという事実は好ましいことだと思う。

ちょこちょこと大学やなんかでスポット講義をさせていただく機会を頂くこともあり、
レジュメ作成時には山口大学の「これからの知財入門」を参考にさせてもらうことも多い。

知財人材の充実が国の競争力を左右する一要素であることを考えたら、もっと注力してよい分野なんだよな、と思う。
頭の若いときにリスクマネジメントのフレームワークを入れておくことは意味がある。

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【著作権】改正案、提出見送り

2019年03月14日 09時01分15秒 | 実務関係(著作権・価値評価・周辺業務)
今日4本目。
別にヒマなわけではないです。むしろ相対的に「超忙しい」日。

そんな中、注目していた事案なのでやっぱり早めにコメントしとかないと。

著作権法改正案、提出見送り

新聞各紙によって微妙に伝え方は異なるけど、
「漫画家をはじめとした著作権者側の理解を得られていないと判断した」
「ネット世論に配慮」
といった観点で報じている点は共通。

ただ、見送りの動機が
“夏の参院選に影響が出かねないから”
というのであれば、じゃあ選挙終わったら結局やるんかい!?という話にもなる。
このあたりちゃんと「監視」しておく必要がある。


目的(=海賊版の排除)と手段の整合性を、しっかり検討していただければな、と思います。
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【価値評価】中国電力の知的財産報告書

2019年03月05日 07時29分39秒 | 実務関係(著作権・価値評価・周辺業務)
おはようございます!
雨も上がってスッキリした空気の@湘南地方です。

さて、とある新聞記事からするすると辿りついた標記の件。
中国電力知的財産報告書

記事を見て最初は「へー、特許評価額164億円ってすげー」くらいに思っていたのだけど、
報告書を読んでみて、取り組み方がなかなか生半可じゃないなぁ、と思った。
ざざっと検索してみても、電力会社のなかで直近出願している件数としてはずば抜けている。

それに、毎年報告書を作成するとなると、それだけの成果が継続的に生まれていることが前提。
この体制そのものに価値があるよなぁ。
知財戦略の3つの基本理念なんかも策定されているところ、
最初に来るのが「創造力豊かな人材育成」というのが良い。
経営理念ともリンクしている。

そうだよなー。戦略には理念が無いと。
その場しのぎとは戦略とは呼ばない。
具体的な事例も満載で、実体が伴っていることを感じさせる報告書でございました。
参考にさせていただきます
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【著作権】盗作騒動、結着。

2019年02月28日 08時33分20秒 | 実務関係(著作権・価値評価・周辺業務)
おはようございます!
今日は一日雨の予報。春の雨は落ち着く。出かけなきゃいけないのでうっとうしいけど(どっちやねん(笑))

さて、昨年話題になった映画「カメラを止めるな!」。
昨年末のインドネシア出張の際に飛行機の中で観ましたが、

実は公開後に“盗作騒動”が起きていたんですね。
最終的には「和解」で終結した模様。
(記事はこちら
(公式HPにおけるリリースはこちら

記事の中にもあるように、本件の場合はもともと映画の監督と劇団の劇団員との間に親交があり、
一度はそこで映像化計画が持ち上がっていたが頓挫し、最終的には別の形で公開に至ったもの。

「原作」の方を観ていないから実際のところどれくらいの要素がトレースされているのかとか判らないけど、
こちらの記事にもあるように、映画の方の魅力は
“観た人に「どんな人にも、持ち味がある。誰でもみんな、自分の役割がある」と感じさせてくれる”という点じゃないかな、と。

お金の問題なのか、創作者の矜持の問題なのか、部外者には何とも判りませんが、
折角の珠玉の作品が人の目に触れられなくなってしまうような事態にならなかったことは良かったと思います。


【著作権】としておきながら、著作権的視点で全くコメントしていない件…。
いや、事実関係判ってないとこれはめったなことが言えない奴です。
ただ本件については、少なくとも両当事者の視点が過去の資産の果実の奪い合いではなく将来を向いているのだから、これはこれで良いんじゃないかなー、と。
創作をしつづけてこその創作者ですもの。

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【著作権法】違法ダウンロードの対象拡大(2)

2019年02月20日 08時23分25秒 | 実務関係(著作権・価値評価・周辺業務)
おはようございます!


うねうねと凹凸の筋が連続して入っている様子を見て思わずパチリ。

こういうの、結構好き。


さて、くどいようですが著作権法改正の話。
のだめの生みの親もこんなことをつぶやいておられる。
元記事も呼んでみたほか、有料記事なので一部だけだけどこんな記事も。


「著作権侵害のものだと確定的に知っている場合」
というのと
「一般市民の悪気の無い行為」
というのは互いに排他的でない、ということは当然判っているでしょうに。

明確に誰かの著作物であろう挿絵が入った画面をキャプチャしてSNSで発信する行為。
“まあ、これぐらいいいじゃん”という感覚はあるし、それがコンプライアンスに反するとも思えない。

善悪二分論はやめようよ、というのが一番言いたいこと。
今回の法改正、どんだけ薄いグレーでも「黒」とするものに見える。
抑止する対象と抑止する手段、両方とも煮詰まってない、ように思える。

それに「知っている」は主観的かつ個々人による差が著しく大きい。
「確定的に」って何よ?
法の不知を宥恕せず、じゃなかったっけ?

ここまで議論がまとまってないのに改正案が通るとしたら、怖い世の中だなー、と。








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【著作権法】違法ダウンロードの対象拡大

2019年02月06日 08時31分01秒 | 実務関係(著作権・価値評価・周辺業務)
おはようございます!
雨がなんとなく心も潤す、今朝の@湘南地方です。

さて、今日はこんな記事

(東京新聞より引用)
============================
違法ダウンロードの対象拡大 刑事罰は悪質行為限定 反対相次ぎ修正

文化審議会の小委員会は四日、漫画などの海賊版サイト対策に関する最終報告書を公表した。著作権を侵す違法ダウンロードの対象範囲をインターネット上の全ての著作物に拡大する一方、刑事罰を科す対象は、悪質な行為に限定するよう求めた。先月まとめた報告案では全ての違法ダウンロードに刑事罰を科す方向だったが、委員から反対意見が相次いだため、修正した。
(以下略)
============================
(引用終わり)

この件については、例えばこちらの記事にも書かれているとおり、
従来音楽、映像に限定されていた対象を全ての著作物に広げる、というもの。
「全て」としている以上、例えば「漫画」の違法ダウンロードのようにそもそも悪質性が推認されるような場合だけでなく、

例えば、ブログで気になる記事を見つけ、後で読むために保存するような行為でも、その中に著作権を侵害する表現やイラスト、写真などが一つでもあれば違法になる可能性があり、さらに、そこに有償の著作物が含まれていて権利者から告訴されれば刑事罰を科されることもある、ということになる

(上記リンク先の読売新聞記事より引用。ちなみに、同記事の「法改正、なぜ急ぐ?」のパラグラフに記載のことがこの問題の根本原因ではないかと思う。)

いやー、ぶっちゃけた話。
全ての違法ダウンロードに刑事罰を科すようになっていたら、“国民総犯罪者”になっちゃうんじゃない?
もちろん「違法ダウンロード」=「違法に公開(アップロード)されたと知りながらダウンロードする行為」であるという点を踏まえた上で。
スマホなりPCなり、各自が保有している端末の機能で普通に“違法な行為”ができてしまう状況で、
人を惹きつけるからこそアップロードされるコンテンツがあるのに、
それを一律に刑罰対象とするのは無茶苦茶なんじゃないかなー、と。

違法な行為を推奨する趣旨では全くないけど、テクノロジーが許容していることと今やろうとしている「線引き」との乖離がヒドすぎて。
大事なのはバランス。あと「グレーゾーン」。
グレーなところを“はい、今日からここはクロでーす”とできるほど、遵法意識はことコンテンツ関係に関しては育っていないと思う。




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【著作権】神々の遊び

2019年01月11日 08時45分13秒 | 実務関係(著作権・価値評価・周辺業務)
おはようございます!
綺麗な青空が窓の外に見える今朝の@湘南地方です。

今週は色々と体の不調が表に表れてきております。
ぎっくり腰寸前の腰痛→首痛→胃もたれ のコンボ。
ま、最後のは不摂生によるものだと思いますが。
やっぱり寒くなってくると身体が縮こまりがちですもんね。

さてさて、なんじゃこりゃ?と思ったこの記事。
神様から著作権法を一ヵ所だけ変える力を貰ったら

いやいや、この分野ではもはやあなた方が神様ですから(笑)
てか、現行法の枠組みを維持しながら適正化していくことへの「無理ゲー」感をみんな感じてるんでしょうね。
世の中もテクノロジーも進化(?)のスピードが著しいのだから、制度もそれに合わせたアップデートをしていく必要がありますよね。

他の法領域でも色々思うことありますよ、“この規定もうちょっと考えたらよいのに”的なこと。
すぐ思いつくのは、特許法の保護期間。保護対象物/技術分野に応じて期間は変えればよいのに、と。
ソフトウェア関係で20年は、過保護だと思うわ。




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【著作権】フラダンスの著作権

2018年09月23日 08時49分55秒 | 実務関係(著作権・価値評価・周辺業務)
おはようございます!
やや曇り空、過ごしやすい空気の今朝の@湘南地方です。

さて、今日はこんな記事

(日本経済新聞より引用)
==============================
フラダンスに著作権あり ハワイの指導者勝訴、大阪

ハワイに住むフラダンスの指導者が自ら創作した振り付けを許可なく使われ著作権を侵害されているとして、フラダンス教室の運営団体に講師や会員による上演差し止めなどを求めた訴訟の判決が21日までに大阪地裁であった。高松宏之裁判長は著作権侵害を認め、会員への指導や国内施設での上演禁止と、約43万円の支払いを命じた。

(以下略)
==============================
(引用終わり)

著作物、というと小説のような言語の著作物や音楽の著作物、絵画や映画などがぱっと浮かぶかと。
でも、あまりピンとこないかもしれないけど、「振り付け」も著作物たりうる。
紙やフィルムに固定される必要はない。

ただダンスの振り付けの創作性、というのは判断がなかなか簡単ではないように思われる。
起源について諸説あるものの数百年の歴史があるフラにあって、従来からある振り付けか創作性があるものなのか、を裁判所が判断することは容易ではないのではないか?

それにしても
“楽曲の振り付けで部分的に作者の個性が表れていれば、その一連の流れ全体の著作物性が認められる”
とはかなり踏み込んだ判断…って大阪地裁ですかそうですか。


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