日航機墜落事故から２５年

今日は520名の犠牲者を出した日航機墜落事故から25年となります。
そこで、この日航機墜落事故について調べました。

日航機墜落事故とは、1985（昭和60）年8月12日午後6時56分頃、お盆の帰省客などが乗った羽田発大阪行き日本航空のジャンボ機123便が、32分にも及ぶ迷走飛行の末、群馬県多野郡上野村の御巣鷹山の尾根に墜落した事故で、国内の航空機事故としては最も多い５２０人が犠牲になりました。

事故から２５年となる１１日夜には、墜落現場「御巣鷹の尾根」のふもとを流れる神流川（かんながわ）で、遺族の人たちによって、亡くなった人たちを追悼する灯ろう流しが行われました。
そして今日１２日には、遺族などが「御巣鷹の尾根」を目指して、慰霊の登山をして犠牲者をしのび、夕方には、ふもとにある「慰霊の園」で遺族や地元の人たちが参列して追悼慰霊式が行われます。
式では、参列者が墜落した時刻の午後６時５６分にあわせて黙とうをささげ、悲惨な事故が二度と繰り返されないよう空の安全を祈ることにしています。
また、歴代の所管大臣としては初めて、前原国交相も慰霊登山する予定だそうです。

・御巣鷹山の墜落現場です。（ご縁ネットより）


この事故では運航乗務員3名、客室乗務員12名、乗客509名、計524名のうち、生存者は僅か４名であり、520名が死亡するという単独機としては世界の航空史上最悪の事故となっています。
なお生存者4人は全員女性でした。（・26歳のJALの非番の客室乗務員　・34歳と8歳の親子　・12歳の少女）

・墜落した日航機の残骸です。（ご縁ネットより）


亡くなった方の中には、歌手の坂本九さんや阪神タイガースの中埜肇球団社長、女優の北原遥さん等の著名人がいました。
反対に運良く助かった人もいました。
元宝塚歌劇団雪組トップスターの麻美れいさんやタレントの明石家さんま氏、当時フジテレビのアナウンサーだった逸見政孝氏の家族も同機に搭乗する予定だったそうですが、直前にキャンセルし、難を逃れたそうです。
また、東京モノレール羽田線が１０分程度遅れたために搭乗を逃したり、バスやタクシーで羽田に向かったものの渋滞に巻き込まれて搭乗できず、結果的に難を逃れた人もいたそうです。

・救助される生存者です。（ご縁ネットより）

「事故原因」
運輸省事故調査委員会では、事故原因は1978年（昭和53年）6月2日大阪空港で同機が着陸に失敗し、機体後部下面を滑走路に接触させる事故を起こした際にボーイング社が行った後部圧力隔壁の修理に重大なミスがあり、運行を重ねるうちに修理個所に金属疲労が発生し成長、そしてこの日に遂に機体の与圧に修理個所が耐えきらなくなって崩壊し、吹き出した与圧された空気と、それにより生じた衝撃波で垂直尾翼が破壊されるとともに、4本の油圧系統全てに損傷を受け操縦不能に陥ったためとしています。

・合掌を形どった慰霊塔です。奥に納骨堂があります。８km彼方に御巣鷹の尾根を拝むことが出来るそうです。


「遺書」
不安定な機体の中で複数の乗客が家族への遺書を残していました。
一般的には、墜落事故では、異常の発生から数分の余裕も無く墜落に至ることが多いですが、この事故では異常発生から墜落まで30分以上あり、遺書を書く時間があった稀なケースと言われています。

遺書の一部をご紹介します。（ご縁ネットより）

吉村一男　さん（４３）　横浜市金沢区。日建設計社員。
	横浜市金沢区の会社員、吉村一男さんも 「しっかり生きてくれ。（二人の子供を）よろ しく頼む」という短文を残していた。 　吉村さんの遺体は１６日早朝、自宅に帰っ たが、遺族が同日、遺品の整理をしていて、 遺書が見つかった。社用の便せんらしい紙 にボールペンで走り書きされており、勤務す る会社の茶封筒の中に入っていた。 　　　　　　　　　　　　（毎日新聞記事抜粋）

村上良平さん（４３）　千葉県柏市。富士電機サービス課。社名入り封筒に。
	機体が大きく左右にゆれている １８・３０　急に降下中 水平ヒコーしている 日本航空１８・００大阪行事故 死ぬかもしれない　村上良平 みんな元気でくらして下さい。 さようなら　須美子　みき　恭子　賢太郎 １８・４５　機体は水平で安定して 酸素が少ない気分が悪るい 機内よりがんばろうの声がする 機体がどうなったかのかわからない １８・４６　着陸が心配だ スチュワーデスは冷せいだ

河口博次 さん（５２）　兵庫県芦屋市。大阪商船三井船舶神戸支店長。遺体の上着の胸ポケットに 入っていた手帳に７ページにわたって、２１９字。
	マリコ 津慶 知代子 どうか仲良く　がんばって ママをたすけて下さい パパは本当に残念だ きっと助かるまい 原因は分らない 今五分たった もう飛行機には乗りたくない どうか神様　たすけて下さい きのうみんなと　食事をしたのは 最后とは 何か機内で　爆発したような形で 煙が出て　降下しだした どこえどうなるのか 津慶しっかりた（の）んだぞ ママ　こんな事になるとは残念だ さようなら 子供達の事をよろしくたのむ 今六時半だ 飛行機は　まわりながら 急速に降下中だ 本当に今迄は　幸せな人生だった と感謝している

単独機として世界最大となった日航機墜落事故の惨事も四半世紀が経ち、風化の危機に揺れていますが、遺族の無念さを思う時、事故の教訓を次世代に引き継ぎ、日航のみならず航空会社、交通事業者全てに事故を起こさない安全な運行を肝に銘じて欲しいものです。

悲惨な事故が二度と繰り返されないよう空の安全を祈ります。