7月29日から昨日まで所用があって、ブログの書き込みを休ませていただきました。
今日からブログを再開しましたので、引き続きご愛読くださいますよう宜しくお願いします。
さて、今日は私の畑の傍の小川に生えているガマの穂について調べました。
ガマの穂は、出雲神話の「因幡の白兎」に出てくることや唱歌「大黒様」でよくご存知だと思います。
「ガマ(蒲)」はガマ科の多年草で、日本全土の池や沼に分布しており、水の中に地下茎をのばして生長し、葉の高さは1~2mになる植物です。
葉は幅1~2㎝で、長さは50cm~150㎝になり、茎の先には円柱型の花穂をつけます。
穂の上部は細く、雄花が集まっており、下部は赤褐色で太く、雌花が集まっています。
花期は6~8月で、黄色の雄花穂は花粉を散らした後は軸を残して落ちます。緑褐色の雌花穂は熟して茶褐色に変わります。
・私の畑の傍の小川に生えている蒲の穂です。
上部の軸だけ残っているところが雄花穂のあったところです。
ガマの花粉は蒲黄(ほおう)と呼ばれ、生薬として用いられます。外用では傷薬、内服では利尿作用、通経(とどこおっている月経を通じるようにする)作用があるとされています。
・ガマの穂です。
雌花の熟したものは綿状になり、穂綿と呼ばれています。出雲伝説の「因幡の白兎」では、毛をむしりとられた兎に対し、大国主命は蒲黄(ほおう)を体につけるよう教えました。
蒲黄(ほおう)は先に書きましたように傷薬としての効果があります。唱歌「大黒様」では「がまの穂綿」と歌われていますが、この穂綿は正しくは蒲黄(ほおう)のことです。
・ガマの葉です。幅1~2㎝で、長さは50cm~150㎝になります。
・出雲神話の一つ「因幡の白兎」伝説の概要
淤岐島(おきのしま)から因幡国(現・鳥取県東部)に渡りたい兎が、海の和邇(わに)に次のように言って和邇(わに)を騙しました。
『お前と私とでどちらが仲間が多いか競争しよう。多くの仲間を集めて気多(けた)の岬まで一列に並びなさい。私がその上を走りながら数えて渡るから』と言います。
和邇の背中を跳びながら渡り始めまた兎は、最後に地面に下りようとしたときに『お前たちは騙されたんだ』と言いました。
怒った和邇は兎を捕らえて着物を剥ぎとったので、兎は赤裸になりました。
赤裸になった兎が臥せっているところに八十神(大国主の兄弟)が通りかかり、『傷を治したければ海水を浴びて高い山の上で風に当たって寝ていろ』と嘘を教え
ます。
そのとおりにしたところ海水が乾くにつれて身の皮が風に吹き裂かれました。
そのあとに通りかかった大穴牟遲神(オオナムヂ、大国主命)が傷み苦しんでいる兎を見つけ、事情を聞き、次のように教えました。
『河口に行って真水で体を洗い、そこに生えているガマの花粉(蒲黄)を取ってその上で寝ると良い』と。
その通りにした兎は元の体になったと言う話です。
・ガマの雌花は結実後小さな果実になり、風によって飛散し、水面に落ちると種子が水底に沈み、そこから発芽して増殖します。
唱歌「大黒様」は、60歳以上の方は子供の頃に歌われたことがあるのではないでしょうか?
参考までに歌詞を書いておきますので、口ずさんでみてはいかがでしょう。
懐かしいですよ。
唱歌「大黒様」 作詞:石原和三郎
作曲:田村虎蔵
1.大きな袋を肩にかけ 大黒様がきかかると
ここに因幡の白兎 皮をむかれて赤はだか
2.大黒様はあわれがり きれいな水に身を洗い
蒲の穂綿にくるまれと よくよく教えてやりました
3.大黒様の言うとおり きれいな水に身を洗い
蒲の穂綿にくるまれば 兎は元の白兎
4.大黒様はだれだろう 大国主のみこととて
国をひらきて世の人を たすけなされた神様よ
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